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6月Linc主催ウェビナー実施報告

6月22日(水)Linc主催ウェビナー『今後の日本語教育業界で活躍できる理想的な人材とは~学校経営陣が考える人材育成戦略~』を開催いたしました。

※Linc主催ウェビナーとは? ​

日本語学校間の横の繋がりを増やし、情報交換ができるようにするために、Lincでは2020年6月よりオンライン&オフラインセミナー実施しております。これまで計24回実施、延べ約1200名の日本語教育関係者が参加しました。

これまで実施したウェビナーについてはLincコーポレートサイトよりウェビナーレポートをご確認ください。

 


今回は、日頃お付き合いのある日本語学校の先生方より計50名にご参加頂きました。(ZOOMにて37名、Lincのオフィスにて13名)
 日本語教育業界に精通し、独自の方針や改革を果敢に実施されているお二方にお話をお聞きしました。
ー登壇者ー
日本東京国際学院 マネージャー 河合雅史様
ISIグローバル株式会社 ソリューション推進本部 副本部長 遠山大輔様
 

 
 
ー本ウェビナーの目的及び背景ー
 
<実施背景>
​​厳しい経営状況の中、日本語学校が生き残るために、どのような手段や戦略で学校経営をしていくべきか、ディスカッションの開催や学校経営者様に登壇していただきました。今までは本ウェビナーの他にも「日本語教育業界オープンイノベーション」「次世代リーダーの育成」「日本語学校改革」についてお話していただきました。
 
<実施目的と期待>
本ウェビナーにて、6月より「人材」の育成にフォーカスし、5年後にも自分の学校が激しい業界編成に適応しながら、且つ顧客である留学生の需要が著しく変化していくことを想定し、適切な対応ができる人材をどう育成していくかを参加者の皆様と一緒に考えていきたいと考えています。
 
 今回は、日本東京国際学院マネージャー河合雅史様、ISIグローバル株式会社遠山大輔様に登壇していただき、今後の日本語教育業界で活躍できる、求められる人材についてお話していただきました。
 
 
 
日本東京国際学院 マネージャー 河合雅史様



ー日本語教育の現状及び特徴ー

・日本語学校は、常勤の割合が非常に少ない。
・平均年齢が高い。

それに対し、

ー学校が採用している先生の特徴ー

・若手が比較的多い→理想は、新人:中堅:ベテラン=1:1:1
・営業マンから日本語教師になった方が多い
→「右手にロマン、左手にそろばん」のバランスが大切。
 
というように、日本語教育と学校を現状比較し、日本語教育において、どのような方を採用する必要があるのか、どのような人材が求められているのかを紹介していただきました。
 

 
次に、河合様がモットーとして掲げておられる「三方良し」を紹介していただきました。
世間・学生(買い手)・教員(売り手)の全てが良い思いをするようなビジネスモデルの構築が重要であるが、日本語教育業界では、売り手である教員や学校がおざなりになってしまっているのが現状です。


 
 また、エンゲージメントを高めるために日本東京国際学院が取り組んでいらっしゃる日本語学校向けの基幹システムの導入による効率化、DX化について紹介していただきました。
 
学校の取り組み例:
  ・独自開発した出席管理システム
  ・LINEの公式アカウントを開設し、トーク内容の可視化及び卒業生との学生との関係継続
  ・Trelloを活用したタスク管理及び可視化
  
校内では従業員を対象としたeNP調査を実施しました。これは従業員のエンゲージメントを測る調査の一つです。
結果は予想通り、良くありませんでした。特に、注目度が高く、マイナス評価だったのは、給与と業務時間です。給与をすぐに上げることはできない、ではどう改善するのか?を考えたところ、無駄を減らして時間を圧縮する、まさに効率化をはかることでした。業務の無駄を省き、効率化を高めていくことで、退職0定時退社

の実現をされています。
 
 


 
 
 
ISIグローバル株式会社 遠山大輔様
 
 現在の日本語教育市場や年収などの分析から今後の業界分析をしていただき、それに基づき理想的な人材像を提言していただきました。


 
 上のグラフを用いて、日本語教育業界の現状、日本語学校の収支モデルを大変分かりやすく説明していただきました。講師の人件費が収入の25%を占めていますが、市場規模は比較的小さく、給与も低い水準で、課題が鮮明化されています。
 
 
 


 


 
・ニーズ・国籍の多様化/留学期間の短期化。
・主要国であるアジア、特に中国国内での競争の激化。
・市場規模の横ばい、学校数の減少、しかし学校規模は大きくなっている。
・立教大のような1年目を日本語教育にあて、残りの3年で専門を学ぶカリキュラムを取り入れる大学は今後増加すると予測。
・DX化→IT企業の参入が加速化
・働き方改革による弊害
・文化庁「日本語教育オンライン実証事業」

などが今後の日本語教育業界を構成する大きな要因になるだろうと紹介していただきました。
 
また、今後の日本語教育業界の予測要因から人材育成へのポジティブな影響として、大手学校の教師の年収増加、コンプライアンス厳格化・働き方改革、優秀人材の流入について詳しくご紹介いただきました。
 

 

そして、今後の日本語教育機関にて活躍できる理想的な人材像の提言、日本語教育機関組織の特徴からそれに基づく陥りやすい課題要因を分析、紹介していただきました。
 
 
 



活躍できる人材=マネジメントできる人材


このマネジメント能力は、
定量的な目標設定と進捗管理
定性的な目標の発信力
経営数字への理解
上記3つに細分化できるが、これができる人材はそんなに多くないということをご紹介いただきました。



最後に、経営者目線と日本語教師目線の2つに分けてまとめていただきました。
 経営者目線:
 「良禽择木」という言葉を用いて、経営的魅力とは人間的と金銭の2種類に分類でき、経営者が魅力的であれば人材は集まる、また金銭面も非常に重要で従業員の給与を上昇させ、職員の待遇を良くすることが大切であると提言していただきました。
 日本語教師目線:
  個人のやりたいこと、得意なことではなく、経営陣が求めていることを考えて行動、提供することが大切だとまとめていただきました。
 
 日本語教育機関の職員の役割、及びそれに基づく必須能力が細分化されており、大変勉強になりました。当日のウェビナーの様子については、後日、Linc公式YouTubeチャンネルにアップされる予定ですので、ぜひそちらもご覧ください。
 


 
 
ー本件についてのお問い合わせー
①お問い合わせ先:https://www.linc-info.com/contact/
件名に「人材育成」を記入の上、必要事項を入力してください。 追って当社よりご連絡差し上げます。
②電話でのお問い合わせ:03-6240-2155(株式会社Linc)まで直接お問い合わせください。 
ご不明な点等ございましたら遠慮なくお申し付けください。
ー株式会社Lincについてー
 Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。
(※参考 2021年、18の地方新聞紙面にて、Linc事業活動が掲載されました!)
https://www.linc-info.com/news/211223/
 会社概要等、詳しくはLinc公式ホームページをご確認ください。