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楽しい不動産英単語 第7回 暖炉 ー Enjoy English Expressions for Properties Vol7 Fire Place

海外の街で見かける不動産広告のフリーペーパーなどを読み解けるよう、英語やその背景にある知識をアップデートしていく企画です。


今回は、前回の「リビングルーム」の続きで、

Fire Place「暖炉」


についてお話ししたいと思います。

まず、暖炉の構造は、以下のようです。

写真は https://fireplacecrackles.com/what-are-the-main-parts-of-a-fireplace/ から参照しました。暖炉について詳しく載っていますので、興味のある方は参照ください。多分、アメリカ式だと思います。イギリスだと多少表現の違う部分もあるかもしれません。

Firebox 火室
Glass  ガラス(フレーム)
Safety screen 安全スクリーン
Log set  丸太(ログ)置き場
Surround  サラウンド/囲い
Mantel (Mantelpiece / Chimney piece)  マントル/マントルピース
Hearth  囲炉裏/炉床

この火を置く部分に、
形よくガスや電気のストーブが収まっているものが、
現在では一般的だと思いますが、
ちゃんと煙突が機能している暖炉がある家もあって、ちょっと感動します。
また、アメリカでは暖炉より、
日本でも最近流行っている、
薪ストーブがついている家が多いように思いました。

イギリスにいたとき、
ロンドンの

サウス・ケンジントン地区に


住んでいました。
ビクトリア調やジョージアン・スタイルの家々が並ぶ素敵なところでした。
現代では、あの5~6階建ての建物を全て所有している人は、
もうほとんどなく、
それらを水平に切った部屋ということで、
フラット flat と呼ぶ、アパートに住んでいました。
うちは、グラウンドフロアとフラットAと呼ばれる地下一階のメゾネットでした。もうご存知の方が多いと思いますが、
建物の階数は、日本やアメリカの一階が ground floor として始まるので、
日本の2階がイギリスの1階です。

実は、このベースメントにあたる部分は、
通りから階段を降りて直接出入りできるフラットになっていることが多いのです。

古い時代の建築物であるにもかかわらず、
きちんと建物の周りを掘り込んであるので、
道路より低い場所にありながら、(乾燥した空気のせいもありますが)
通気などは問題がありません。
また、通りに面しているのと反対側には、
プライベートガーデンがあります。
かなり大きく公園並みの大きさで、素敵なところです。
うちは残念ながら、こちら側に抜けていなかったのですが、
このプライベートガーデンに部屋の窓から出入りできるため、
ガーデン側の一階、
もしくは、地下1階は人気です。
居住空間を増やすために作られている、日本の最近の半地下住宅など、
掘り込みを前面しかしていないため、
実際に住むと湿気の逃げ場がなくて
環境が悪いのとは大違いですね。

住んでみて実感したのですが、
ビクトリア調やジョージア調のビルが建てられた頃は、
家のヒーターが暖炉だったわけです。
そして、地下1階から最上階まで、
暖炉は同じ場所に作られ、
その排気口であるチムニーは壁の向こうで縦につながっています。

フラットAへの階段を道路から降りると、
道路の下の部分に、
なんとか立っていられる高さの部屋が、二つぐらい仕切られてあります。
そして、
道路からグランドフロアの入り口につながる橋部分の下も、
空間として地下の部屋に繋がっています。
地上階にあるこの橋の部分は、
数段のステップとなって、ビルの玄関に繋がっていることが多いです。
一方、
道路にはマンホールがあって、
昔はそこのマンホールを開けて、上から石炭 coalを放り入れる業者が
いたようです。
つまり、
ビル全体の石炭がフラットAの向かい側、
掘り込みを隔てて作られた小部屋スペースに入れられる。
使用人がそこからバケツに入れた石炭を、
各フロアに運ぶ。
大変だったろうと思います。
今でもエレベーターがついていない建物は結構あって、
エレベーター無しの5階は安いですが、
エレベーター付きだと人気で高額です。

現代のロンドンのフラットの中には、
この昔の石炭置き場につながる階段下を綺麗にして、
部屋スペースや玄関スペースとして活用しているところが多いです。
また、道路直下の石炭部屋が、
ビルごとのゴミ置き場になっているところも少なくありません。
ちゃんとドアがあるし、
かなりのスペースなので
使い勝手は悪くないと思います。
そして、ゴミ回収の人は二人組以上で来て、
一人は各フラットAへの階段を降りて、
かつての石炭置き場のドアを開けて、ゴミを道路まで運んでくるのを専用に行う。もう一人が
道路の上のゴミ袋を収集車に投げ入れる、
という感じでした。
本当に大変な仕事で頭が下がります。
日本でもごみ収集のお仕事などは本当に大変だと思います。
暑い夏などはなおさらです。
ロンドンでは、時々ストライキがあって、
ゴミ収集車が来ないと
自分たちの生活の質がどれだけ落ちてしまうのか、
実感させられました。
こういうお仕事の人たちこそが、高収入を得るべきですよね。
世界中で人手不足が叫ばれていますから、
今に、実際に体を動かして仕事をする人たちに
その労働量に見合った支払いが行われるようになるのではないか、
と、希望的観測を持っています。
そうなったら、もっと住み良い世界になるのではないでしょうか。
あ、でも、
そうなったら、私のように、
収入もなく体を動かす仕事もしない人は、
駆逐されてしまうかも(苦笑)。

ところで、
私は南国で子育てをしたのですが、
そこでは、クリスマスになると、

「暖炉がないからサンタさんが来ないかもしれない問題」


が発生し、
頭を悩ませるのでした。

子供の心配をどう宥めたら、
まだまだサンタを信じていて欲しい可愛い子供たちに、
夢をぶち壊さずに話ができるか。
周囲には、
スカイスクレーパーのペントハウスなどに住んでいる
お金持ち家族が多かったので、
「うちはお空に近いから、サンタさんにとっても楽なのよ」
とかなんとか言って、やり過ごす人もいれば、
マントルピースをつけて内装を変えちゃう、
などなど。
うちはお金はかけられませんので、
「窓のそばなら大丈夫だよ」、などと適当なことを言って
切り抜けていました。
つまり、窓のそばに、
サンタさんへのクッキーとミルクのセットを置くんですね。
これは、翌朝までに親が少し齧って少し飲んでおく必要があります。
これを忘れると、
サンタさんはうちのクッキーが嫌いだった、
と子供が感じてしまう心配がありますので。
ありがたいことに、単純な子供だったおかげで、
小学校を卒業するまでサンタさんを信じていたし、
中学校ぐらいになると、
信じているふりをしている方が、おねだりしやすい
ということを察知したのか、
かなり大きくなるまでそのままでした。

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