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『Link』と 私


眠れない夜に
初めて 音声入力で記事を書いてみることにしました。


私が小平奈緒選手を初めて知ったのは、
いつの頃からだろうか。
きっと 冬に行われる冬期オリンピックは,
私にとって特に興味をひかれる 冬の祭典だったのだと思う。

私は中学1年生の時、 部活動でクロスカントリーのスキー部に入っていた。部活といっても、少人数クラスの特設部で、定員の埋め合わせとして入っていただけ。
運動神経のあまり良くない私は、スキーの滑走も
下手で、選手には到底なれないレベルだった。

そんな私のわずか3ヶ月間のクロカン経験。
 今思い出しても, これ以上体を酷使したことがないと思うほどに苦しい 部活動だった。
 
クロカンは、スキー種目の中でも最も過酷な競技であるということを 
北京オリンピックの解説で初めて知った。
クロスカントリースキー  このスポーツは雪の上をスキー板を履いてストックと 腕の力で 駆け抜ける。そして林間コースでは 山道をスケーティングで思いっきり 足を蹴って駆け上る

 そして 登りきった地点から一気にスキーで下り坂を滑り降りる。

スピードスケートはブレード(刃)の付いた靴で氷を蹴るのに対して、クロカン(クラシカル)のスキーの板は細い雪のレールの溝に沿って進んでいく。

 氷と雪の上。違いはあるけれど、自分の足で蹴りながら一歩ずつ進んでいく 前に進むために 力いっぱい 足を蹴らなければならない… 一歩一歩に瞬発力を要するところが共通点。なのでは、と
私は考える。
中学1年の私は、当時も今も、あまり変わらない 小さな体つきから スキーを蹴る力が弱く、前に進むのがとても苦しくて,息が苦しくて, 体が悲鳴を上げているようだった。
果てしなく続くように思える 雪原の4kmコース。 必死に ストックと 下手くそなスケーティングで走っていく。山道のコースになると もう とても駆け上るだけの力が足りなくて スキーをハの字にしてよじ登っていくことしかできない。

一番の最難関。
「もうだめだ 力が出ない これ以上 足を前に出せない 倒れてしまいたい。」
「 ここで今、 倒れたらお母さんが助けに来てくれるかな。」
この時 頭をよぎった言葉は今でも忘れられない。倒れてしまいたい,でも進まなくちゃいけない
とにかく 必死に 最後までゴールへ向かって 滑りきること それだけだった。
当然、滑り終えた後の爽快感や達成感は 得られなかった。

ゴールした瞬間 今また新しく降り積もった雪の上へ 倒れこみ 仰向けになって 灰色の空と雪に埋もれて 全力で呼吸をして苦しい息を整える…。

 そんな苦しいだけの経験として残ってしまった クロカンの思い出。

小平選手のスケーティングを観戦しながら、なぜだかその頃の思い出が、よみがえってきました。
歯を食いしばりながらゴールへ向かって駆け抜ける姿に スピードも自分とは比べ物にならないぐらいの速さなのに 

あの 永遠に感じられたクロカンの時間が ぎゅっと わずか37秒の時間に閉じ込められたかのような感覚になりました。
私の小平選手への想い 憧れは、過去の自分の゙頑張りを肯定してくれる 支えていたわずかな自尊心にすがっていただけなのかもしれない、と最近になって気付きました。

クロカンの試合を終えて 翌日, 私は学校を休んだ。

 そして まもなく学校へ通えなくなり、 不登校になった。寒い冬の下旬。


おわりに
クロスカントリーは自然の地形を利用した、冬の人気スポーツです。
天候に支配される厳しさもありますが、
雪景色の中を駆け抜ける清々しさ、
晴れた日に視界に映る、白い銀世界の美しさ…
タイムを争うだけの競技ではなかったと、今なら思えます。
小平先週から教えられた、スポーツの学び。
できないことからのスタートでもその過程を愉しむ。
今度は、自分のペースで雪の上を歩いていきたいです。

小平選手の言葉は、スケートを超えて
迷いや葛藤の中にいる私達に、やさしく寄り添ってくれます。
「優劣で自分を決めつけないで。」
オリンピックの頂点に立ったチャンピオンからの言葉は、中学生の私にはどんな風に届いただろうか。
過去を振り返って、その中に取りこぼしてきた自分をもう一度すくい上げて、前を向いて生きていけるようになりたい。
「Link」は、これからも私の追い風になり、背中を押してくれると思います。

平昌五輪でのウイニングランが、こんなに感動したのは、
小平選手の
「仲間との健闘を称え合う空間を創りたい」という気持ちがあったからこそだったのだと知りました。

 

たくさんの歓声に包まれて 

人間のつながり、空間の中で幸せを感じられる
一番尊いことを教えてくれました。 ありがとうございます。

サンファ選手と健闘をたたえ合う場面で流れた、マライア・キャリーの゙曲「Hero」の゙歌詞に思いが重なり、胸を打たれます。
ヒーローはあなたの中にいる。


「Heroは あなたなのよ。」


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