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世界中の水源で飲料水ガイドラインを超えるPFASを発見

環境内のPFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の将来的な影響を我々は過小評価している可能性があるようだ、という研究報告。

PFASは、耐熱性、耐水性、耐油性、耐汚染性を持つ14,000以上の合成化合物のグループであり、1950年代から様々な製品に使用されてきた。しかし、PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、環境やヒトの体内に入ると分解されない特性を持つ。PFASは環境および健康問題、特にがんを含むいくつかの病気と関連があるが、その実際の規模や潜在的な影響については多くが未知のままである。

研究チームは、政府の報告書、データベース、査読付き文献などから世界中のPFAS測定値を集め、約20年間にわたる45,000以上のデータポイントを収集した。そして、これらの地表水や地下水のPFAS汚染レベルを評価した結果、多くの地域でPFASの安全飲用限界を超えることが明らかになったという。

PFASの健康リスクはまだ十分に理解されておらず、ヒトに対する臨床的な有害性があるかどうかは国や地域によって意見が分かれている。しかし、PFASの潜在的なリスクと不朽の性質を考慮して、多くの規制機関がPFASの使用を厳しく制限し、安全な飲用水限界を導入している。オーストラリアではPFASの一部(PFOA)の飲用水基準が米国よりもはるかに高いが、カナダはすべてのPFASの合計を30ng/Lに制限している。

この研究は、我々が監視および規制しているPFASの数が限られているため、および消費者製品に期待以上のPFASが含まれているため、実際のPFAS汚染は、従来の想定以上であることを示唆している。

研究チームは、環境における商業製品からのPFASレベルを定量化し、飲用水システムでPFASを分解する技術を開発するための研究を進めている。さらに、PFASが環境や我々の体のどの部分に影響を与えるかを予測するモデルを開発することを目指している。

「PFASを含む製品の使用に際して、製造者と消費者双方が注意深く行動する必要があります」と研究者はコメントしている。

出典は『Nature Geoscience


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