EBIS世界の最新健康・栄養ニュース

栄養・運動・休養という健康のための3つの柱に関する海外の研究情報をお届けします by …

EBIS世界の最新健康・栄養ニュース

栄養・運動・休養という健康のための3つの柱に関する海外の研究情報をお届けします by ながさご

最近の記事

乳化剤の摂取が2型糖尿病の発症リスク

いくつかの乳化剤の摂取は、2型糖尿病の発症リスクを高めている可能性があるようだ、という研究報告。 今回研究チームは世界で初めて、一般集団を対象とした大規模研究で、最大14年間の追跡調査期間にわたって評価された乳化剤の食事摂取量と2型糖尿病の発症リスクとの関係を検討した。2009年から2023年の間にNutriNet-Santéウェブコホート研究に参加したフランスの成人104,139人(平均年齢43歳、79%が女性)からのデータを分析した。 参加者は少なくとも 2 日間の食

    • SNSで若者の果物・野菜摂取が増加

      ソーシャルメディア上で健康的な食生活のアカウントをわずか2週間フォローするだけで、より多くの果物や野菜を食べ、ジャンクフードをあまり食べなくなるかもしれない、という研究報告。 研究者らは、ソーシャルメディアユーザー52人(平均年齢22歳)を2群に分けた。介入群の参加者は、通常のアカウントに加えて、健康的な食事の Instagram アカウントをフォローするように求められた。対照群の参加者は、インテリア デザインのアカウントをフォローするように求められた。実験は2週間続き、参

      • 栄養情報学についてのメモ(2019/2/8)

        以下のメモは、2019年に発表済みのものですが、その後ほとんど進展がなく、このnoteでも基本的には同じスタンスでニュースを配信しているので、ここに再録します。ここのニュースになんの意味があるのと思ってしまったヒト向けです(https://nutrinfosite.wordpress.com/2019/02/08/%e6%a0%84%e9%a4%8a%e6%83%85%e5%a0%b1%e5%ad%a6%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%

        • プラントベースのステーキやコールドカットの中にはタンパク質が不足しているものがある

          プラントベースのステーキやコールドカットの中にはタンパク質が不足しているものがあるようだ、という研究報告。プラントベースの製品は起源植物により大きなばらつきが存在したという。 研究チームは、3種類のプラントベースのステーキおよび3種類のプラントベースのコールドカットを収集し、それぞれ仔牛ステーキおよびハムと牛肉のコールドカットを対照として比較検討した。脂肪、塩分、タンパク質の含有量を測定し、さらに研究室で模擬消化実験を行って、タンパク質がヒトの消化管でどの程度分解されるかを

        乳化剤の摂取が2型糖尿病の発症リスク

          生涯にわたるエネルギーと主要栄養素に関するガイダンス

          「医食同源」を普及させようという拡大するキャンペーンの中で、ペニントン生物医学研究所のヘイムスフィールド博士はラトガース大学のスー・シャプセス博士と協力して、栄養豊富な食事を作る際に考慮すべき変数のマトリックスを発表した。 栄養摂取に関する推奨事項の長い歴史の中で、現在の研究は「医食同源」の概念、つまり健康とウェルネスをサポートする介入の中に食品と栄養を位置づける哲学に向かう傾向にある。ヘイムスフィールド博士とシャプセス博士による論文『生涯にわたるエネルギーと主要栄養素のガ

          生涯にわたるエネルギーと主要栄養素に関するガイダンス

          カロリー制限が加齢に及ぼす影響は複雑

          ヒトを対象としたカロリー制限に関する2年間の研究データを分析したところ、カロリーを制限した人々は対照群とは異なる速度でテロメアを失うことを発見した、という研究報告。ただし、研究終了時のテロメア長は両グループでほぼ同じであった。 研究者らは、全米レベルで実施された「CALERIE研究 (ヒトにおけるカロリー制限に関する初のランダム化臨床試験)」からの遺伝子サンプルを分析し、カロリー制限が人々のテロメア長に及ぼす影響を理解しようとした。テロメアの長さはヒトの細胞の加齢の速さを反

          カロリー制限が加齢に及ぼす影響は複雑

          日本人の乳製品摂取が食生活に与える影響

          日本人における乳製品摂取量と奇数炭素鎖脂肪酸(奇数FA)との関連性が明らかになった、という研究報告。この相関性は欧州やオセアニアでは以前に確認されていたものの、アジア諸国では研究が不足していた。 奇数FAは、偶数の炭素原子を持つ脂肪酸と比較して数が少ない。ヒトの奇数 FA の主な供給源は乳製品であり、主に反芻動物の胃内の微生物によって合成される。 「食習慣と脂質の相関関係を調査したデータベースを徹底的に調べた結果、乳製品の摂取量と奇数FAの関連性に辿り着きました」と研究者

          日本人の乳製品摂取が食生活に与える影響

          未来の食料生産戦略としての微生物食品

          KAIST(韓国科学技術院)の研究チームは、急激な人口増加と気候変動による世界的な食料危機に対処するために「微生物食品」研究の方向性を示唆する論文を発表した。 微生物食品とは、微生物を利用して生産されるさまざまな食品や食材のことを指す。微生物バイオマスは、乾燥重量当たりのタンパク質含有量が肉に匹敵し、二酸化炭素の排出量が最小だが、生産のための水もスペースも少なくて済むため、環境に優しく持続可能で栄養価の高い食料資源となることが期待されている。 発酵食品は、我々周りで最も簡

          未来の食料生産戦略としての微生物食品

          食生活の乱れとがんリスクをつなぐミッシングリンク

          不健康な食生活や管理されていない糖尿病において、ある化学物質の存在ががんのリスクを長期にわたって高めているかもしれない、という研究報告。 研究チームはまず、両親からがん遺伝子BRCA2の欠陥コピーを受け継いでおり、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高い患者を対象に研究を行った。 そして、そのような患者の細胞は、細胞がエネルギーを作り出すためにグルコースを分解するときに生成される化学物質であるメチルグリオキサールの影響に特に敏感であることを実証した。 研究では、この化学物

          食生活の乱れとがんリスクをつなぐミッシングリンク

          塩味スナックの大きさが消費量を変える

          個々のスナックの大きさは、ヒトがそれを食べる速さだけでなく、食べる量にも影響を与えるようだ、という研究報告。米国では 1 日のカロリー摂取量のほぼ 4 分の 1 が スナックによるものであるため、この発見は、食行動がカロリーとナトリウムの摂取にどのような影響を与えるかを、より深く理解するのに役立つ可能性がある。 研究チームは、プレッツェルのサイズが食事行動(全体的な摂取量、食べる量、一口サイズ、間食時間)にどのような影響を与えるかを調査した。75人の成人がこの研究に参加し、

          塩味スナックの大きさが消費量を変える

          世界中の水源で飲料水ガイドラインを超えるPFASを発見

          環境内のPFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の将来的な影響を我々は過小評価している可能性があるようだ、という研究報告。 PFASは、耐熱性、耐水性、耐油性、耐汚染性を持つ14,000以上の合成化合物のグループであり、1950年代から様々な製品に使用されてきた。しかし、PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、環境やヒトの体内に入ると分解されない特性を持つ。PFASは環境および健康問題、特にがんを含むいくつかの病気と関連があるが、その実際の規模

          世界中の水源で飲料水ガイドラインを超えるPFASを発見

          乳児の腸内微生物に独自の概日リズム:食事はほとんど影響なし

          赤ちゃんの腸内細菌叢には体外で培養された場合でも概日リズムがあり、生後2週間からこのリズムが現れ、年齢とともにより顕著になることがわかった、という研究報告。食事が腸内細菌叢の発達に与える影響は、これまで考えられていたほど大きくないことも分かったという。 「腸内細菌は非常に初期の段階から概日リズムを獲得することがわかりました。大人ではこのリズムが見られますが、いつから現れるのかは分かっていませんでした」と研究者は述べている。 また「食事は重要ではありますが、年齢の方がより大

          乳児の腸内微生物に独自の概日リズム:食事はほとんど影響なし

          ケトジェニック食は重症精神疾患を改善する

          ケトジェニックダイエットは、服薬を続ける精神疾患患者の代謝の健康を回復するだけでなく、精神状態もさらに改善するようだ、という予備的研究。この結果は、食事介入が精神疾患の治療に強力な助けとなる可能性があることを示唆している。 「通常の標準的な治療とは別に、何らかの方法で病気のコントロールを取り戻すことができるというのは、非常に有望であり、非常に心強いことです」と研究者は述べている。 研究チームは、4か月にわたるパイロット試験で、統合失調症または双極性障害と診断され、抗精神病

          ケトジェニック食は重症精神疾患を改善する

          社会的孤立は生物学的年齢差と高い死亡率に関連している

          社会的孤立を感じている人は、自分の実年齢よりも生物学的に高齢である傾向があり、様々な原因で死亡する可能性が高いようだ、という米国メイヨークリニックからの研究報告。この研究は、社会的なつながりが全体的な身体の健康と長寿に重要な役割を果たしており、健康の社会的決定要因の必要な部分として扱うべきだと提案している。 研究者らは、2019年6月から2022年3月の間に外来治療を受けた28万人以上の成人を対象に、社会的ネットワーク指数とAIによる心電図(AI-ECG)で推定された年齢差

          社会的孤立は生物学的年齢差と高い死亡率に関連している

          甘味料は食欲を増さないというランダム化比較試験の新たな証拠

          食品中の砂糖を人工甘味料や天然甘味料に置き換えても、空腹感は増さず、血糖値の低下に役立つことが、新しい研究で明らかになった。 二重盲検ランダム化対照試験によって、甘味料を含む食品を摂取した場合、砂糖を含む食品と同様に食欲やその関連ホルモン反応が低下し、血糖値の低下などのメリットが得られることが判明した。これは2型糖尿病の発症リスクが高い人々にとって特に重要である可能性がある。 砂糖の代わりに甘味料を食品に使用することに関しては、食欲を増進する可能性について矛盾する報告があ

          甘味料は食欲を増さないというランダム化比較試験の新たな証拠

          骨を強化する身体活動は、最も体力のない若者で最も低下している 

          骨を強化する身体活動のレベルは思春期に減少し、それは体力レベルが低い青少年の間で最も急激であるようだ、というフィンランド・ユヴァスキュラ大学からの研究報告。小児期から思春期の身体活動は、強く健康な骨を発達させ、維持するために重要である。 研究チームは、研究開始時に11歳だった思春期児童を対象に、3年間にわたる骨を強化する身体活動の変化を調査した。全ての思春期児童の間で骨を強化する身体活動レベルは減少したが、体力レベルの高い青少年の間ではより高いレベルが維持されていた。また、

          骨を強化する身体活動は、最も体力のない若者で最も低下している