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甘味料は食欲を増さないというランダム化比較試験の新たな証拠

食品中の砂糖を人工甘味料や天然甘味料に置き換えても、空腹感は増さず、血糖値の低下に役立つことが、新しい研究で明らかになった。

二重盲検ランダム化対照試験によって、甘味料を含む食品を摂取した場合、砂糖を含む食品と同様に食欲やその関連ホルモン反応が低下し、血糖値の低下などのメリットが得られることが判明した。これは2型糖尿病の発症リスクが高い人々にとって特に重要である可能性がある。

砂糖の代わりに甘味料を食品に使用することに関しては、食欲を増進する可能性について矛盾する報告があり、一致した見解は得られていなかった。

しかし今回の研究は、科学的根拠のゴールドスタンダードである二重盲検ランダム化対照試験であり、甘味料や甘味増強剤が食欲に悪影響を及ぼさす、砂糖摂取量を減らすのに有益であるという、非常に強力な根拠を提供している、と研究者らは述べている。

本研究は、SWEETコンソーシアム(欧州の29の研究機関、消費者団体、業界パートナーから成り、甘味料や甘味増強剤への置き換えがもたらす長期的な利益と潜在的リスクについてのエビデンスの構築とレビューを行っている)からの最新の研究結果である。

この新たな試験は、2021年から2022年にかけてフランスのリーズ大学とローヌアルプ人間栄養研究センターで実施された。参加者は全員18歳から60歳までの過体重または肥満者だった(女性33人、男性20人)。

試験はクロスオーバーデザインで実施され、参加者はランダムな順番で2週間ずつの摂取を3回繰り返した。砂糖、天然甘味料ステビア、人工甘味料ネオテームのいずれかを含むフルーツフィリング入りのビスケットを研究室で第1日-第14日の2週間摂取し、その後14-21日間の洗い出し期間を経た後、次の摂取を繰り返した。

参加者は、ビスケットを食べた後、数時間にわたってどの程度満腹感を感じたかを評価するよう求められた。またグルコースとインスリンのレベルが測定され、食物の摂取に関連するホルモンであるグレリン、グルカゴン様ペプチド 1、膵臓ポリペプチドも測定された。

2種類の甘味料の結果では、砂糖と比べて食欲や内分泌反応に違いは見られなかったが、食後2時間にわたって測定されたインスリンレベルは低下し、血糖値も低下した。グレリン、グルカゴン様ペプチド 1、膵臓ポリペプチドには有意差はみられなかった。

「この知見は、甘味料が食欲やカロリー摂取を増加させることなく添加糖の摂取を減らすための便利なツールであることを示しており、食欲、カロリー摂取、体重の管理における甘味料の有用性を支持するものです」と研究者はコメントしている。

出典は『EBioMedicine

https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2024.105005


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