Lisa(訪問看護師、大学院修士課程在学中)

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  • イチオシのケアに関する本を集めました

    ケアを開くシリーズ中心に厳選しました。 看護学生、介護福祉士、歯科医、医師、リハ職の言語聴覚士、理学療法士らの専門家、介護されているご家族に向けて、いち看護研究者のたまごが熱意を込めて執筆しています。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 【保存版】私が紹介したい記事/動画

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罰によって薬物依存症は回復しない。名著#3「助けて」が言えないSOSを出さない人に支援者は何ができるか

この本は名著だ。 長年、薬物依存症の問題に取り組む松本先生は次のように断言している。 罰の痛みによって人を薬物依存症から回復させることはできない。 覚醒剤取締法事犯者5年以内の再入率は、満期釈放は55.5%の約8割を占めるらしい(法務省編:犯罪白書)。同じ人が何度も受刑している。さらに再犯予測因子は、精神疾患の併存などが影響している。覚醒剤犯者の女性は、男性に比べ、小児期の逆境的体験、精神疾患、食行動の障害が有意に多いとの特徴もある。”SOSが出せない”、”人に依存がで

    • #13共感性の正体、#14発達障害のある人の「ものの見方・考え方」:「コミュニケーション」「感情の理解」「勉強」「仕事」に役立つヒント ;自由奔放な連想力とのたたかい

      私は、感性が強く、人への相談の仕方がわからず、要点が掴めないと思われがち。他者に自分の思いを全てわかってもらいたい承認欲求が強すぎると分析されたこともある。 この本を読んで、映像思考で、連想力に富むため、【たくさんの考えのうち、何を話し、何を話さないか】の仕分けに人一倍労力がかかっているとの見方をもらった。映像思考とは、自分の考えが【言葉】ではなく映像として浮かびやすいタイプ。仕分けをせずに手当たり次第に荷物を外に送り出していたが、受け取る相手を困惑(要点が不明)させないよ

      • HSPで視座が高いといわれるあなたへ#12問いかけの作法

        私は、問いかけの作法を学ぶことで、相手が理解できるまで伝え、相手の考えを理解できるまで問いかけるチャレンジを始めたいと思います。 (協力者募集中。ひとりではできません!泣) 1.フカボリ質問/ユサブリ質問の導入 私は、哲学的対話を好むので、質問が、フカボリに傾く。つまり、”そもそも”から始まり、なぜなのかを追求する。だが、これだけでは足りない。 私が今後習得していきたいのは、ユサブリ質問である。天邪鬼質問とも呼ばれたり、言い換えから成るリフレーミング質問もこのグループ

        • 【保存版】当事者発信のブログ/詩/動画の紹介

          不定期に更新予定。病とともに生き抜いた/生きていらっしゃるインフルエンサーの方々による発信を共有したい。多くの人に彼らの動画を共有したい。紹介コメントを書くべきだが、また時間ができた時に書こうと思う。 ◎海老原宏美さん 《私は進行性の障害なので、いつどう死んでいくかわからない、いつまで生きられるか、いつまで体が動くかわからないという状態に置かれている。死ぬことが身近にあるんですね。だから逆に今やれることやらなくちゃとか、生に対する、生きるということに対する意識が健常者に比

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        罰によって薬物依存症は回復しない。名著#3「助けて」が言えないSOSを出さない人に支援者は何ができるか

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        • イチオシのケアに関する本を集めました
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        記事

          ドキュメンタリー映画帆花(医療者的ケア児の10年間密着取材)の感想付き#8「居るのはつらいよ」

          深層心理学の博士を有する著者が、精神科デイケアでの経験をもとに書いたフィクションである。 「いる」ってなんだろう?居場所ってなんだろう? 精神科のデイケアでは、積極的なカウンセリングではなく、援助者もそこにいることが求められたそうで、筆者は、最初は手持ち無沙汰に感じたそうである。 「いる」ことができるのは、(私なりに解釈すると)居場所が安全基地だと思えるからである。 古い日本語では、居場所を「ゐどころ」と言い、「ゐど」には「座っている」という意味があるらしい。尻とは自

          ドキュメンタリー映画帆花(医療者的ケア児の10年間密着取材)の感想付き#8「居るのはつらいよ」

          食欲不振で経口摂取できないので予後3ヶ月といわれたと、認知症の方のご家族から相談があった。胃ろうにするかと二択を悩まれていた。点滴一本のみでは、飢餓状態で、まともに食べる意欲も湧かないのではと進言。その後点滴カロリー補正をし、家族が毎日手紙を送られた。効果抜群食欲回復の知らせ😆

          食欲不振で経口摂取できないので予後3ヶ月といわれたと、認知症の方のご家族から相談があった。胃ろうにするかと二択を悩まれていた。点滴一本のみでは、飢餓状態で、まともに食べる意欲も湧かないのではと進言。その後点滴カロリー補正をし、家族が毎日手紙を送られた。効果抜群食欲回復の知らせ😆

          ケアの行き詰まりを打破するのは、擬音語#7「介護するからだ」

          面白いと思った点は以下の3点です。 ・ケアの技、「相手のやっている動作に合わせて擬態語・擬音語を唱える。」 飲水介助のとき、介助者が口元でコップを傾ける。 「ごく、ごく、ごくん」と言い、最後の「ごく」が終わるちょうどそのタイミングで、本人がすぼまった口を湯呑みから離す瞬間にコップを縦に戻す。 擬態語・擬音語を介助動作に添えることは、ただ相手のやっていることを描写するだけではなく、援助者と本人が互いの動作を合わせるために行われている。 ・良きナビゲーターになるには、自

          ケアの行き詰まりを打破するのは、擬音語#7「介護するからだ」

          【保存版】尊敬する看護師や医師から頂いた言葉集

          どこかで頑張っている未来の看護師に届いたら良いなと思って、私が頂いた言葉のギフトを残してみる。 ・「看護師さん」と呼ばれたら、「〇〇(名前)です」と答えなさい。名前を覚えてもらえる看護師になりなさい。 →学生のとき、緩和ケアのベテランナースから頂いた助言で、私はこれを実行してきた。 ・看護師は責任と覚悟と勇気がいる仕事です。その人の望んでいることをよく聴き、何ができるかを考えて行動する責任と覚悟と勇気を持つことができるかどうか。踏み込んだ質問を投げかけたならば、責任を持

          【保存版】尊敬する看護師や医師から頂いた言葉集

          レスパイトケア

          素晴らしい行政の取り組みですね✨✨  教えてくださりありがとうございます。

          モルヒネか、孤独か#4『本当の依存症の話をしよう』

          1970年代に行われた「ラットパーク(ネズミの楽園)」というネズミの実験の漫画を読みたくて手に取った。 ゲージに隔離された1匹のネズミと、多数のネズミに対し、普通の水とモルヒネ入りの水を用意して与え、57日間観察した。 楽園ネズミ、ゲージのネズミは、モルヒネ水に依存していくのだろうか?などを観察した実験である。 (モルヒネはヘロインと同じ麻薬で、覚醒剤よりもはるかに強い依存性を持つ薬剤) 結果は、ゲージに隔離されたネズミが依存していった。楽園ネズミは、少量のモルヒネ水

          モルヒネか、孤独か#4『本当の依存症の話をしよう』

          不完全さは劇的なピアニッシモ?#2『べてるの家の非援助論』

          べてるの家とは、1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点です。べてるの家は、有限会社福祉 ショップべてる、社会福祉法人浦河べてるの家、NPO法人セルフサポートセンター浦河などの活動があり、総体として「べてる」と呼ばれています。 とある書き出しでは、「僕は、精神分裂病です。僕の夢は、とにかく病気になることでした」から始まる。病気になって「頑張り」から降りられた、喧嘩の絶えなかった家族が僕が病気になったおかげで仲良くなった等が報告され

          不完全さは劇的なピアニッシモ?#2『べてるの家の非援助論』

          ビッケ・ブランカの魅力

          ナオト・インティライミが天才と認めた、シンガーソングライター、ビッケブランカ。 ビッケさんは、異才を放つ持ち主で、世間体を一切気にせず、スタイリッシュでいて、聡明なアーティストだ。私も、ビッケさんのように、「徹底的に私でいる」ことへの自信を持ちたい。 彼は、生活リズムが変わっており、3時間寝て6時間起きるサイクルを長年取り入れているそう。仕事中であっても、打ち合わせの合間に寝る時間を確保する。周りが、彼の徹底したスタイルに思わず合わせてしまう。そのセンスが光り、笑いになる