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オンライン授業を論じるために

3つの密を避けるためにも、授業のオンライン化が注目されている。

推進派もいるが課題もある。押さえるべき点は何か。

義務教育、高校と大学では状況は異なる。
学習内容の違いだけではない。子どもが学校で学ぶのは、教科書の内容だけではない。社会性を身につけ、人間関係や文化を学ぶ場が学校である。通信制高校はあるが、通信制小学校は可能だろうか。

通信環境を整える責任は誰にあるのか。

送受信できる環境とは、パソコンやタブレット、スマホがあり、通信回線やWiFiが使える状態でなければならない。もちろん、学校にも家庭にもなければならない。加えて操作できるスキル、環境を整えるための費用が必要である。

情報インフラ
保護者のスマホ1台しかない家庭もある。回線も無制限に使用できる料金プラン、サブスクではない家庭もある。学校でもすべての先生分の端末や必要なソフトウェア、アプリがない学校もある。

3つの密を避けられるなら、一人ひとりが家庭で端末を使用するのではなく、学校内にブースを設け、距離・間隔をあけて、生徒は登校して使用することも可能だろうか。

いずれにしても、通信と端末の費用負担が発生する。制服や教材費のように保護者に購入させるか利用料を負担させるなら、社会的な合意が必要である。学校の責任ですべて用意して提供する場合でも、公立学校においては、追加の財政出動が必要になり、やはり社会的合意が必要である。スマホを学校で充電させてもらえない高校生はたくさんいる。

動画配信やテレビ電話のイメージが先行するが、教育におけるICT活用は進化しており、教材やコミュニケーションツールは学習活動に役立つ。国家予算に占める教育投資の割合が低いわが国で、どこまで合意形成ができ、教育のオンライン化が進められるだろうか。

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