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(仮名)さざ波ドレス 制作過程 と リヨセル素材

2022年発表に向けて現在制作を進めている作品のご紹介をしたいと思います。
こちらは海がインスピレーション源となっているドレスです。

トワル(仮縫い状態のもの)


広い海、寄せては返す波を見ると、私はいつも薄い生地がプリーツやギャザーとなって揺らめくさまを思い浮かべます。そんな心地良い情景を切り取って、服に表現したいと思い進めているのが今回の作品です。


泡波をイメージしたフリンジディティール


潮風が心地よく肌に触れては通り抜けていく…

そんな感覚を甦らせる様な。

素材は とろみのある柔らかいタッチと、透けすぎないシアー感のある生地を選びました。

素材はリヨセル100% (テンセル™リヨセル繊維 )

ナチュラルでリラックスした素材感、リヨセル特有のとろける様な柔らかさと、
ぷるんとした弾力性と膨らみが魅力の素材ですが、こちらのリヨセル、環境に優しい素材としても注目されています。

リヨセル100% ボイルローン


リヨセルってどんな素材?という方の為に 少しまとめてみましたので、よかったらご覧ください。


テンセル™リヨセル繊維はオーストリアの繊維メーカーレンチング社(正式名称レンチング・ファイバーズ社) により開発された再生セルロース繊維の一種です。


再生セルロース繊維とは分類上は植物を原料とした化学繊維(人工的に作られた繊維)ですが、他石油から作られた(従来のポリエステル等)化学繊維とは違い、土壌に埋めれば自然に還る生分解性があります。

テンセル™リヨセル繊維の原料はユーカリの木から採れる木材バルブで、それを特殊な溶剤で溶かし、中のセルロースを繊維に再生する方法(溶剤紡糸法)で作られています。

他再生セルロース繊維と比べ、テンセル™リヨセル繊維が特に環境に優しいとされる点は、製造工程で出る水や使用溶剤は独自の循環型システムで99%回収、再利用される為 廃液が環境中に放出されることがない、

また原料とされるユーカリの植林から育成、伐採まで適切に管理された森林から調達した木材を使用しており、FSC((Forest Stewardship Council®:森林管理協議会 )等の森林認証認を取得している、等々が挙げられます。

木材を原料としている事から、植林問題や森林伐採が問題視される中 負にならないのかな? と、ふと思ったのですが、木材バルブの原料をどこから調達するか、すなわちFSC等の森林認証の原料を使用している事が重要という事ですね。

H&Mやグッチといった世界的ブランドも森林認証のあるセルロース繊維を重視しており、セルロース繊維の原料となるパルプの調達において原生林や消滅の危機にある森林からの調達を避けること、FSC認定のセルロース繊維を使用する事を掲げているそうです。またステラマッカートニーは森林保護団体と協力し、セルロース繊維の環境負荷を調査し、原料調達から製造までのトレーサビリティを行っているそうです。

製造プロセスについても分かりやすい動画がありましたので、こちらもご覧ください。

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。LiTA chisato

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