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斎藤環さんに聴いた『日本でのオープンダイアローグの未来』

『オープンダイアローグの今後の日本社会での普及への展望』というテーマでお話を伺いました。こちらの動画は、2022年12月に実施した斎藤環さんとの対談の冒頭部分のダイジェスト版の要約です。

話し手:たまきさん(斎藤環)
聴き手:なりたか(戸田周公 りすにんぐファーム)


【話を聴いた内容の要約】


~オープンダイアローグの一番の売りとは~

・オープンダイアローグは、対人援助の方法としてこれにまさるものはない。 一番の売りはチームの力が最大限生かされること。

・チームであるだけでかなり高い効果を発揮できる。

・中に一人経験者がいれば、いいダイアローグができてしまう。

・ODNJP(オープンダイアローグネットワークジャパン)以外の 団体や自助グループでもよいセンスの対話が行われている印象。

・オープンダイアローグは、ODNJPのトレーニングコースを受けなければできない訳ではない。



~一番大事なこと~

・オープンダイアローグで一番大事なことは、受ける人の「権利と尊厳」が最大限尊重されること。



~今後の展開~

・ODは間口が広くて奥行きが深い。 学校や司法など色々な領域の人が関心を持ってきている。

・精神神経学会(2022年)での教育講演がEラーニングの素材にも。 専門医になるためには、ODの知識が必要という状況へ。

・(今後)医療保険が認められたら素晴らしい。



~危惧すること~

1・学ぶことが大事で、実践がなおざりになること。 学びと解釈に汲々としてしまい、対話ができているのかの自問自答ばかりになってしまうこと。

・対話実践は人のために使ってなんぼ! 自分たちの対話センスの向上は二の次、当事者を巻き込んで実践していってほしい。

2・学ぶ過程で自己流の方向に行ってしまうこと。 対話の実践ガイドラインを目安にしてほしい。

・スーパーバイズよりもODを受けた人の感想が大事、感想が悪ければ、修正の余地がある。

《対話の実践ガイドライン》

・ODNJPが作ったODの実践ガイドラインはこちら(オープンダイアローグの7つの原則、対話実践の12の基本要素など)

アメリカのオープンダイアローグにおける対話実践の基本要素 -よき実践のための基準-



~今後の展開の可能性~

・RDP(リモートでやるオープンダイアローグ)の可能性。対面とリモートでそんなに差がない。 同じ場所いかなくても、ZOOM画面でできてしまう利便性。

・ODNJPはオリジナルに忠実でありつつ、外側にもすそ野を広げていく。 今はすそ野を広げる時!


~聴いていたなりたかの感想~
・様々な分野で、「オープンダイアローグ」のすそ野を広げていけるといいなと改めて思いました。 私の場合は、「学校」に広げていけるといいなと思っています。 学校の先生、保護者の方、生徒児童の方、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの方など、一緒に普及していきたい方がいれば、どうぞ声をかけて下さい!

「チームであるだけでかなり高い効果を発揮できる」という言葉は、私の経験からとても実感する言葉です。 背景に支援者性や当事者性があろうがあまり関係なく、対話性に対する姿勢と研鑽を重ねている2名以上のチームでうまく連携できれば、 対話的な場を作ることができると感じています。

「ODを受けた人の感想が何よりも大事」というのもその通りだと思います。 オープンダイアローグでは、ベテランの人からのネガティブフィードバックよりは、 クライアントの立場の人の感想や、自分がクライアント役をやった際にどう感じるかが大切なフィードバックになると思います。

最後に、様々な領域でオープンダイアローグを普及させていくには、情報発信や横のゆるやかなつながりを作っていくことも必要になると思います。

ODNJPだけでなく、様々な団体が有機的につながって、社会に流れを作っていけるといいなと思います。 ということで、オープンダイアローグだけでなく、他者の尊厳を重んじ、対等な関係で安心を育む志向性のある個人や団体を応援していきたい気持ちです。


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#オープンダイアローグ #斎藤環   #リフレクティング #OpenDialogue

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