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娘が生まれて「未来」のコトが気になり始めた。

我が家に娘(第一子)が誕生してもうすぐ5ヶ月が経つ。日々成長していく様子は、見ていて本当に楽しい。

四六時中手足をバタつかせて動き回ったり、親の姿が見えなくなったらすぐに奇声をあげて「こっちへ来い」と言わんばかりにリクエストしたり。これは成長したら手がかかる子になりそうだぞという予感が今からある。

ある日、そんな娘を寝かしつけて、夫婦ふたりで雑談をしている時に


「だよね…!!!!」


と、お互いに大きな相槌を打つことがあった。

それは何かと言うと、ふたりとも「未来のことが気になり始めた」のだ。

これは「うちの家族の将来設計はどうしよう」というレイヤーの話ではなく「娘がこれから生きていく世界はどうなるんだろう」という話である。

2019年生まれの娘が、このご長寿国家で90歳まで生きたら2109年。なんと22世紀に突入している。

さらには、僕ら夫婦は運が良ければ、生きているうちに孫、ひ孫にも会えるかもしれない。

そうすると孫は2139年、ひ孫は2169年まで生きることになる。(娘、孫が30歳に子供を授かったとした単純計算)

そんな未来のことは、感覚としてはもう未知の世界である。

スカイネットのロボットが人類を駆逐しているだろうか?

はたまた人間は生体電池として栽培されてマトリックスの仮想世界を生きているだろうか?

いや、その頃にはクーパーとアメリアが死線を越えて見つけた遥か彼方の星に移住しているかもしれない。

子供たちが生きる世代では「あの頃のSF映画が予言の書だった」と語られているかもしれないし、全くそうでないかもしれない。

とにかく不確かなことだらけで「皆目検討がつかない」という点だけは確かだ。

話を戻すと、夫婦ふたりで「未来のことが気になり始めた」のは、自分の子供(そして、その子供たち)の未来まで、親としてちゃんと考えなきゃいけないという自覚が芽生えてきたのが理由かもしれない。「親の務めのひとつ」として。

そんなことを夫婦で話し合った後に、たまたまYouTubeで興味深い動画を見つけた。

カラー化映像でよみがえる1919年の日本の生活」と題されたこの映像は「ちょうど100年前」の日本の風景を収めた貴重な映像である。大正8年である。

まずは、何も言わずに、再生いただきたい。

…しかたがない。再生するのが面倒なあなたのために、キャプチャとともに簡単に紹介してあげよう。

大正の子どもたちがたくさんいるが、ユニクロを着てる子はいない。

道路の舗装工事だろうか?車もアスファルトも存在しない世界。

小川の側に家が立ち並び、みんな生活用水としている。

当時、最も栄えていたエリア?2階建てより高い建物は見当たらない。


これらが「たったの100年前」の映像なのだ。今となっては「信じられない世界」という意味でこれもまた「SF的」である。

ただ実際には、うちの祖父母が生まれる直前の風景だし、曾祖父母にとっては若かりし頃の風景だ。

とにかくこの100年で「とんでもなく世界は変わった」ということがよく分かる。

この映像を見て余計に「未来なんて、どうなるか分かったもんじゃねぇな」という感覚になった。

なのだが、親の務めとして「未来を考えなきゃ」という想いは変わらない。

そんな訳で、現時点ですでに予想されている未来の「トレンド」がいくつかあるので、自分の知識のためにまとめていこうと思う。

前置きは長くなりましたが、ここからが本題であります。


日本の人口減少と、少子高齢化

1919年から現在までの日本を表すなら「繁栄」という言葉がふさわしいだろう。

しかし、これから100年は「衰退」という言葉かもしれない。ご存知の通り、人口は減るし、少子高齢化も進む。

総務省が取りまとめた資料を覗いてみよう。

日本の人口は2004年12月をピークに減少に転じており、2100年には5000万人を割る予想がされている。

これは先ほど見た映像の1919年の頃よりも人口が少ないということだ!(こちらの人口統計によると1919年は5723万人)

地方の過疎化と都市への人口集中は、否が応でも進行し、2100年の日本の風景は大きく変わっているだろう。

そして、ただ人口が減るだけでなく、世界のどの国も経験したことがない速度で少子化・高齢化が進行する。内閣府の資料を覗いてみよう。

高齢者(65歳以上)の人口は2042年に3878万人でピークを迎え、その後ようやく減少に転じると推計されている。

しかし、その後も「高齢化率」だけはじわじわと上昇し続けるようで2065年に38.4%となりピークに達する推計だそうだ。

つまり国民の約2.6人に1人が高齢者の社会の到来だ。(ちなみに現在は高齢化率28.0%で、約3.6人に1人)

「団塊の世代が天国に召されたら高齢化社会は解消するんでしょ」となんとなく思っていたが全くそんなことはなかった。

うちら夫婦が「高齢者」になる頃が最も高齢化社会となるようだ。

娘が現役世代の頃、高齢者を支えなくてはいけないという社会のプレッシャーはどれほどのものになっているだろうか。そして高齢者への風当たりたるや。

せめてうちらは定年を超えても健康的に働き続けて、所得納税者で居たいと思うよ…。

日本の未来を考えていると、暗澹たる気持ちになってくるので、世界の話に移そう。


世界の人口増加

減り続ける日本の人口を横目に、これからも世界の人口は爆発的に増え続ける。国連が今年6月にまとめた世界の人口推移予測の資料(12)を覗いてみよう。

現在、世界人口は77億人だが、2050年には97億人にまで増加すると推計されている。そして、その増加スピードはすこし緩やかになるが、2100年には110億人に到達すると推計されている。

2100年、日本は人口が半分以下になるというのに、世界の人口は今よりも1.4倍だ!

「人類の繁栄」という意味ではお祝い事かもしれないが、話はそんなに簡単ではない。わたしたちの「資源」が問題になるようだ。

まず、100億人を超える人類を支える「食糧」の問題が出てくる。当然の話だが人口が増えれば、お腹が空く人も増える。

「だったら食糧を増産すればええやないか」という話なのだが、地球上の土地や水には限りがあるため、これからの急激な人口増加を満たせるくらいのペースで供給を増やすことが難しいと予測されている。地球単位での食糧の需要と供給のバランスが崩れることで、価格も高騰していくと予測されている。(参考記事

そして世界の人口増加は、食糧問題と密接に関係しながら化石燃料やエネルギーの問題も引き起こす。(参考記事

そんなわけで2100年頃には、世界的に「これまで通り」の経済や生活を行うことが難しくなっている可能性がある

問題が地球レベルになると、もはやお父さんとしてはどうしようもない感覚になる。娘、頑張って生きろ。

さて、次は世界人口とも関連性のある「気候変動」の話だ。


地球の気候変動

今年の日本の夏も観測史上1位の気温に達する地域が出てますが、この調子は続きそうです。

ICPP(気候変動に関する政府間パネル)が2014年にまとめた報告書を、環境省が要約した資料を覗いてみましょう。

ちょっと資料が分かりづらいですが、「温暖化対策が十分になされない」状態が続いた場合、世界の平均気温は2100年には1986~2005年の平均気温に比べて2.6~4.8℃上昇すると予測されている。

ちなみに、2018年の報告では”順調に”最悪のシナリオのペースで平均気温が上がっていることが警告されている。

「世界の気温」だとちょっと現実味がないので日本の気候変動の話も調べてみた。日本の気象庁が自国のリスクを検討するために気候変動について試算した資料を覗いてみましょう。以下の図が最悪のシナリオの場合の、今世紀末の日本の地域ごとの平均気温の予測上昇値。

ちょっと分かりづらいので、資料の要約文を引用します。

本書における気候変化の予測は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 5 次評価報告書で用いられた 4 つの RCP シナリオのうち、最も温室効果ガスの排出が多いシナリオ(RCP8.5シナリオ:現時点を超える政策的な緩和策を行わないことを想定)に基づいている。
21 世紀末(将来気候、2076~2095 年)には、20 世紀末(現在気候、1980~1999 年)と比較して、日本付近では以下のような変化が予測される。
年平均気温は、全国平均で 4.5℃上昇するなど、全国的に有意に上昇する
例えば、東日本太平洋側に属する東京の場合、現在(1981~2010 年観測値の平均値)の年平均気温が 15.4℃なので、21 世紀末には 4.3℃上昇することで、現在の屋久島(年平均気温 19.4℃)に近い値になることに相当する。

今世紀末には「東京の平均気温が現在の屋久島になるかもしれない」のである。なかなかのパンチラインである。

気温上昇は「暑い日が増えるなぁ」というだけの話だけではなく、あらゆるリスクも引き起こす。

これまで以上に豪雨などの異常気象が「常態化」。海水面は上昇。海水温も上がることで、日本のサンゴは大半が死滅し、海洋の生態系は大きく変わってしまう。もちろん陸地の生態系も変わる。

改めて、気候変動というのはとんでもないリスクである。この話も地球規模の問題なので、お父さんとしてはなんともしてやれん。娘、すまん!

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というわけで、日本と世界の人口、気候変動における各所の予測をまとめてみました。もちろんすべてが「予測通り」になるとも限りません。

そして、減ったり、増えたり、上がったりするそれぞれの予測も条件設定ごとに「低位」「中位」「高位」などの段階ごとの予測がされているのでもうすこし穏やかな変化になるかもしれません。

詳しく知りたい人は、文中参考ページや、各種資料に目を通してみてもらえればと思います。

そんなわけで「どうなるか分かったもんじゃない未来」を重要トレンドから考えてみると、とにかく「なんとかして生きるサバイバル能力」や「環境変化に合わせられる適応力」が求められる時代になりそうだなと思う・・・。

お父さんは、君が物心つく頃くらいには、なんらか背中で語れるように頑張ります!


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