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南野拓実選手のファッション撮影BTS

雑誌HIGHSNOBIETYの表紙のひとつであった南野拓実選手の撮影のディレクション、プロダクション、インタビューを行いました。本誌ISSUE 07は2021年に発行されました。責任をテーマに掲げた特集でしたので、ファッションを軸にしながら様々な責任にたいする質問を投げかけました。

https://highsnobiety.jp/p/minamino-takumi-issue07/


2020年から22年までの2年間、世界最高峰と言われるイギリスのプレミアリーグで活躍、カタールで行われた2022年のワールドカップの日本代表選手でもある南野選手。入れ替えの激しいポジションの中で自分の信念に沿って歩んできた努力や信念が簡単なものではないことは想像に難くありません。

フィールド上だけでなくヨーロッパで日本人選手であること、日本代表選手として、また自分自身に対して。どのような重圧と向き合い、コントロールを強いられているのか。マインドセットの持っていきかたを率直にお聞きした内容になっています。

ファッション撮影は始めてという南野選手でしたが、セットの中でも堂々としていて、カメラマンの希望に答えて身体を動かす様子はやはりフィジカルでのコミュニケーションを常とするトップサッカー選手ならではの高いパフォーマンスセンスがあってこそだなと。ありきたりの表現ではありますが非常に関心をしたのを覚えています。

カメラを向けられるというのはおかしなもので。フォトグラファーがテストをするためにモデルさんの代わりに入るときですら、自分がしっかりと役割を果たせているか気になったりしてしまうものです。大人になるほど自信に根拠や実績が伴って来ますので、トップの選手に自信が無いわけがないのかも知れませんが、やはりさすがと言わしめるものがあるんだなと思います。

普段、著名人を起用するファッションの撮影では、その方の持ち味やパブリックイメージを活かす(もしくはあえて逆説的に構築した)テーマを掲げて、表現の方向性を決めて行きます。その上で、何を着ていただくのかブランドさんの方向性や表現、テーマなどを鑑みてコーディネートをご用意します。着用する方のご意見を伺いながら一緒に作り出していくような形で私は進行を進めます。

今回は、DIORやALEXANDER McQUEEN、JILSANDERなどを着用頂き、ライティングによってこころの機微を感じるようなファッションポートレートにしました。南野選手は「これも着てみたい」「これもいいですね」など前向きな姿勢で臨んでいただきました。トップ選手とともに何かをつくり出す楽しみを共有できたのはこの上ないことです。

トップで活躍する選手には苦悩が隣り合わせであるかとお察しします。サッカー少年時代の気持ちを忘れず、ワクワクするような選手ライフを楽しんで欲しいと思うのはセンチメンタルすぎるでしょうか?

「サッカーの長い歴史の中で今まで日本が強豪国ではなかったのは事実であって、日本の選手に対する期待値がさほど大きくないのは仕方のないことだと思うんですよね。でも、結果を出せば特にサポーターはすぐに手のひらを返しますし、評価もすぐについてくる。彼らの期待をどれだけ良い結果で覆せるのかは自分次第だと思っています」


「海外では、自分が日本代表に入っていても入っていなくても、そのチームでは自分が日本代表なんだと思ってプレイしています。そこで結果を出すことは、そこでの日本人の評価になりますから。今後サッカー少年たちが海外を目指すのであればそういう気持ちを持ってほしいですね。ヨーロッパに移籍するとたいてい日本人は舐められてしまいますが、それを裏切ることができたときは気持ちがいいですから」

「自分の生まれ育った環境でこうなっている『俺は俺やから』っていうだけ」

南野選手の魅力が詰まっています。ぜひ多くの方々に見て読んでいただきたいです。


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