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京都と滋賀の2拠点で地域に根ざした場をつくる|瀬川航岸さん(京都 / 20代)

LIVE DESIGN School の23年度メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?

プロフィール
 1999年滋賀県東近江市生まれ、京都市北区在住。一般社団法人ぼくみんで関西エリアの地域コーディネートや場づくりを担当。最近は京都市と滋賀県高島市を行ったり来たり。趣味は絵本と映画鑑賞。夜ご飯はお味噌汁と決めている。
 LDSを知ったのは、当時ぼくみんで一緒に活動していた森谷さんが、LDS運営元の出雲路本制作所に就職したことがきっかけ。興味のある内容だったことや、自身もスクール形式のコミュニティづくりや地域活動を実践する場づくりをしたいと思っていたこともあり、参加を決めた。

━━ 普段はどんな活動をしていますか?

一般社団法人ぼくみんでコーディネーターをしていて、今は新卒2年目になります。1年目から京都のプロジェクトに関わっていて、2年目の昨年からは滋賀県高島市でも拠点作りをすることになったので、昨年8月ごろから京都と滋賀を往復する暮らしを始めました。どちらの地域にも根ざして活動していきたいと思っているので、京都を拠点としつつ週3日は高島に足を運んでいますね。

京都では、京都市北区の船岡山公園を拠点として、毎月第3日曜日に市と協働で「オープンパーク」というイベントを開催しています。マルシェに近い場ですが、あえてマルシェとは呼ばないようにしていて。物の売買が主な目的ではなく、まちの人が公園に関わるきっかけを作れたらと思って運営しています。公園に来た人に豊かな出会いが生まれたり、チャレンジの場になっていったら嬉しいですね。

高島では、「未来のジャム」というイベントの運営や「TAKASHIMA未ラボ」という拠点づくりを行っています。地元の社会福祉法人の方と一緒に、地域内外の人がつながる場づくりやコミュニティづくりに取り組んでいます。仕事はすごくやりがいがあって楽しいです!

━━ 新卒2年目ということで、どんな学生時代を送っていましたか?また、ぼくみんで働くことになった経緯を教えてください。

大阪の大学に通っていて、専攻は経営学でした。大学1回生の時は意欲が高く、インターンに参加したり海外に行ったりと学外でもたくさん活動をしていました。ただ、その時に関わっていた人たちと価値観が合わず疲れてしまって。それからは映画や読書に没頭するようになりましたね。2回生になってからは大学の近くでひとり暮らしを始めたことをきっかけに、住み開きのような活動をしていました。友達が遊びに来たり泊まっていったり、人が出入りする場所でした。社会の中に気兼ねなく過ごせる場所が少ないと感じていたので、どこでも気を遣ってしまう人が安心して過ごせる場を作りたいと思って家を開けていましたね。

3回生の時に新型コロナの影響で人と会えなくなって、頑張れる場所が無くなってしまい、このままではいけないとずっと悩んでいました。自分を変えたいと思っていたタイミングで、後に一緒に働くことになるざわけん(大澤健)さんのnoteを読んで、フリーランスという働き方や、職業よりも自分がどうありたいかが大切ということに気づくきっかけになりました。

ざわけんさんとは1回生の時から知り合いだったのですが、4回生になって改めて連絡を取るようになって。その後、ぼくみんの活動のひとつである「SOCIAL WORKERS LAB」のイベントに誘ってもらって参加したんです。正直、福祉やまちづくりの分野に興味があった訳ではなかったのですが、大事な人からの誘いだったのでとりあえず行ってみたという感覚でした。いくつかイベントに参加するうちにぼくみんでインターンをすることになり、その流れで卒業後は社員として働いています。ざわけんさんをはじめ、人との出会いで人生が変わったと感じています。

━━ 学生時代の縁が今につながっているんですね!就職活動はしていなかったということですか?

就職活動らしいことはあまりしていなかったですね。周りの評価を気にするタイプで、内定があると安心してしまうなと思って。ださくても泥臭くてもいいから本気で変わりたいと思っていたし、他人がよしとすることを選んでしまうと生きている心地がしないと思って。実は3回生の時に大事な絵本と出会ってから、絵本の編集や出版に興味を持つようになりました。実際に編集者の方に会いに行ったり、好きな絵本作家さんにインタビューさせてもらったりしていたので、当初ぼくみんで働くことには葛藤がありましたが、今は楽しく働いています。

━━ 自分の中にしっかり芯を持っていてすごい! LDSに参加してから何か変化はありましたか?

一緒に学び合える仲間ができたと思います。毎月のレクチャーは仕事と重なることが多くてあまり参加できていないのですが、運営の出雲路本制作所のオフィスが近いこともあって、普段からLDSの人とは顔を合わせる機会が多いです。他にも関西の参加者を中心にオープンパークに遊びに来てくれたり、気になるイベントに誘い合ったりして、日頃から刺激をもらっています。

━━ 奈良のフィールドワークに参加されていましたが、印象に残っていることはありますか?

リードデザイナーの坂本大祐さんの活動に興味があって、東吉野村に足を運びました。印象に残っているのは「デザインはひけらかすものではなく、ひそやかにあるもの」という言葉ですね。フィールドワーク中は村に移住されたカメラマンの方など、地域に関わるいろんな方から話を伺いました。デザインはあくまでも黒子のような存在であり、坂本さんが関わっていない部分での村の変化も知ってほしいという意図が込められたプログラムでした。

また、フィールドワーク参加者はただ受け入れしてもらう側ではなく、外から人が来ることで地域やリードデザイナーにもいい影響があると気づけたことも印象に残っています。村の人に想いを語ってもらうことで、その人自身の振り返りの機会になったり、坂本さんも「この人、こんなこと考えてたんだ」と改めて知ることができたり、互いに学び合うことができたのがよかったなと感じています。

たくさんの人に坂本さんの話を聞いてほしいと思い、ぼくみんで12月に開催した「ふくしデザインゼミ オープンフォーラム」のゲストとしてもお呼びしました。考え方が素敵で、今後も指標にしたい方ですね。

━━ いろいろチャレンジしている最中だと思いますが、これからやってみたいことはありますか?

LDSに参加しているみんなが仲間になっていけたらいいなと思っています。地域をよくするために活動している人が全国にいるので、自分の所属する団体にとどまらず、お互い応援し合ったり協力し合ったり一緒に形にしていけるといいですね。

また、ぼくみんでより活躍していけるように実力をつけたいと思っています。今は代表や先輩に助けてもらうことが多いので、自分でもいい判断ができるようになりたいです。経験を積んで、アウトプットや企画の質を上げたり、仕事のスピードを上げたりとスキルも身につけていきたいと思います。周りに本気で活動している人たちが多いので、自分ももっと役に立てるようになりたいですね。

(聞き手|菅原春香さん


地域で必要とされる「広義のデザイン」について、各地のデザイナー陣と参加者どうしが学び合う場として始まったLIVE DESIGN School。現在、24年度のエントリーを受付中です!デザイナー(志望)はもちろん、イラストレーター / 大学生 / 行政職員 / 地域おこし協力隊 / 販売員 / 製紙業 / 百姓!などなど多様な肩書きの方にエントリーいただいています。詳細はこちらから!


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