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インド、ロシア産原油の輸入減少

インドはロシア産原油 の1月の輸入量は1年ぶりの低水準となり、2023年のピークから35%減った。またロシアメディアによると、インドは1月から原油の輸入代金の一部をバナナで支払ったとのこと笑

要約文

インドがロシア産原油の輸入を減らしていることが報じられています。2023年のピーク時から約35%減少し、2024年1月の輸入量は1年ぶりの低水準になりました。インドの石油・天然ガス相、ハルディープ・シン・プーリー氏は、国内に最安値でエネルギーを供給する必要があると述べ、価格重視の姿勢を示しました。インドは民主主義国家として、価格と持続可能性を考慮したエネルギー調達方針を強調しています。

2022年のウクライナ侵攻後、ロシア産原油の購入を拡大しましたが、現在は輸入量が減少しており、2024年1月の輸入量は約129万バレルです。プーリー氏によれば、インドは現在39カ国から原油を輸入しており、調達を多様化しています。インドの石油需要は2030年までに23年比で20%増加する見通しであり、インド市場への供給を増やしたいと考える国が多いとしています。

ロシア産原油輸入の減少背景には、米国を含む西側諸国による制裁強化が影響している可能性が指摘されています。主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)はロシア産原油の取引価格に上限を設ける制裁を発動しました。ロシアは制裁を回避するために「影の船団」を利用していますが、インドは為替変動や取引リスクを懸念し、決済方法にも変化が見られます。例えば、原油の輸入代金の一部をバナナで支払う動きもあります。

インドは化石燃料からのエネルギー転換を目指していますが、増加する国内需要に対応するためには安価な原油の調達が引き続き重要です。ロシアは西側諸国からの制裁を受けながらも、アジア方面への輸出先の切り替えを進め、2024年1月の石油・ガス収入は前年同月比59%増加しています。

ダイキン、インド攻略

ダイキン工業が、省エネ技術と巧みなM&A戦略を背景に、アフリカなどのグローバルサウス地域への事業拡大を進めています。創業100年を迎える同社は、インドでのコスト競争力を強化し、低価格製品を中心に展開する中国メーカーとの競争に挑んでいます。インドでは、空調市場の急成長を背景に、新たな工場を稼働させ、年産能力の増強を図っています。また、インドを起点に、アフリカ向けのエコシステム構築を目指し、部品の現地調達や輸出拠点としての機能を強化しています。

ダイキンはアフリカでは、コストを20%削減した新機種「インディゴモデル」の開発に着手し、4万~5万円程度の低価格エアコンを目指しています。これにより、省エネ性能を武器に、価格競争が激しい市場での競争力を高める計画です。中国メーカーとの台数ベースでの競争では劣るものの、ダイキンは省エネ性能に優れた高価格帯機種での強みを持っており、グローバルサウスではこの強みを活かして市場を拡大しようとしています。

ダイキンの戦略は、インドの空調市場が2030年代には中国市場と同規模に成長するとの予測に基づいています。創業以来、「冷やす」と「温める」事業に携わり、国内中心の事業構造から、海外展開を加速させてきたダイキンは、グローバル化を進めることで成長を続けています。新たな挑戦として、グローバルサウスでの市場ルール形成と成長の取り込みを目指しています。

グローバルサウスとは?

グローバルサウス(Global South)は、経済的には発展途上国や新興国を指し、主に南半球に位置する国々を中心に用いられる用語です。ただし、地理的な位置だけではなく、政治的、経済的な地位や歴史的背景を考慮して「グローバルノース(Global North)」、つまり先進国や富裕国と対比されることが多いです。グローバルサウスにはアフリカ、ラテンアメリカ、アジアの一部国家、およびオセアニアの一部が含まれますが、この分類は国々の経済的な格差や発展の不均一性を示すために使われます。

この用語は、以前一般的だった「第三世界」という用語に代わるものとして使われることが多く、より中立的で尊重を込めた表現として受け入れられています。グローバルサウスの国々は、経済成長のポテンシャルが高いと同時に、環境問題、貧困、教育、健康といったさまざまな課題に直面しています。

ダイキン、井上会長

ダイキン工業は創業100年を迎え、井上礼之会長の下で海外展開を進め、世界首位の空調メーカーに成長しました。井上会長は、今後の成長には量的成長と質的成長の組み合わせが必要と強調しています。特にインドやアフリカなどのグローバルサウス市場への積極的な投資を行い、コストリーダーシップ戦略を通じて競争に挑む計画です。また、先進国市場ではエネルギーマネジメントや保守事業などの質的成長を目指しています。

空調業界の変化に対応するため、ダイキンは提携やM&Aを活用し、エネルギーマネジメントや熱のマネジメントを強化する方針です。異業種からの参入が一般的になる中、創造的破壊の精神で組織の変革が急務であると井上会長は語っています。

変化の激しい時代には、困難に直面しても挑戦する精神を持つ経営者が求められます。ダイキンは、企業文化を重視し、自主性を尊重することで成長を続けてきました。井上会長は、人を基軸に置く経営と、従業員との距離が近い企業文化がダイキンの強みであると強調しています。

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