【掲示板の言葉】

「おかしい」って言ってんじゃない。「かなしい」って言ってんだ

仏様にもいろいろおられます。
厳しい仏。優しい仏。
励ます仏。慰める仏。
動き回る仏。ただいる仏。
秘密の仏。あきらかな仏。

阿弥陀仏にだって色々な顔があります。

けど私の帰命(きみょう／信じて敬い順ずること)する阿弥陀仏は、我々のことをみそなわし、おさとしを示す時、「それはおかしい」と言われているのではなく、「それはかなしい」と言われております。

人間どうしでも、他者が自分と違っていて、何か問題提起をしようとする時、「この人はおかしい」と、はなから否定するのではなく、その違いをこそ尊び合いたいものだし、また、他者が道理に悖(もと)った過(あやまち)を犯した時、頭ごなしに「おかしい」と拒絶や断罪をしていくのではなく、「それは君、悲しいことじゃないだろうか」と、その方が気づかないままに踏みつけてしまっておる悲しみを掘り起こし、その悲しみにこそまた、注ぐべき悲しみがあるのだと思うのです。

…と、まぁこれで済むなら簡単なこと。自己啓発本にでも書いてそうな話です。けれどもこれは仏教の話。私には「相手のことを切に悲しむ」なんてことは適いません。適わないからこそ、私は阿弥陀仏の「大悲」に乗託するのです。