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いい日

弥生も末の週末。 息子の一声で家族四代十三人と 老犬一匹 奈良集結。
久しぶりの家族の 集まりは嬉しいもの。 

気ままな暮らしの我が家は片づかないまま。
幼児用に高齢者用にと部屋も整えないのが私流。
それなりに対応していただく。ぶつかれば幼子も痛みは知るはずと。
食も又しかり。塩分ひかえは常からの心がけて。

今日は煮もの、炒めもの、揚げもの等々。
孫リクエストのちりめん山椒も作りました。
夫健在ならばハンバーグも供されたでしょうが昔ながらの自己流惣菜十余種を準備。もてなし料理も家庭で整えるのが当たり前の旧世代。
ひとりで台所作業を進める。到着時間が迫ってくる。気がせく。
牡蠣ご飯も炊き上がり、食器・利休箸と先に着いた娘達がテーブルセッティングを忙ぐ。
きた!きた!来ました。車でまだおねむの四代目さんもあり二代目三代目と顔が揃う。

私の最高に嬉しい日の始り。家族の昼食会となりました。

四代目二人とは二度目のお目もじとなる。七ヶ月と一年十ヶ月となった男子である。家の中は元気な幼い声と泣き声が響いた。小さい人の泣き声も大きな声も、どうしてこうも心をあたたかくしてくれるのでしょう。
七カ月の四代目は抱くことが許され、私の膝でじっと見上げる目のなんと美しいこと。まじりけのない瞳にこちらが気はずかしくなる。

離乳食も進み新米ママの手作りがパックに用意されている。
スプーンを見つけると自らお口をあけて待つ様子は清少納言の愛(うつ)くしとちごをみるが如くにあいらしい。

一年十か月の四代目は元気に動く。
男の子らしく自動車電車に興味をもち娘宅の老犬にもおそれず手を伸ばす。
手荒な彼の祖父が高い高いと身体を持ち上げるとキャッキャッとよろこぶ姿。祖父となった私の息子もやはり父親の同じプレーによろこんだものだ。
又、幼かった彼をひざにしてスケッチブックに描きはじめるやいなや「チョウトッチュウ!」(超特急・新幹線のこと)と叫ぶ。
パパは大よろこびを。その時のあどけない顔と声が今も懐かしい。
男の子はやはり男。時は変わっても動くものへの関心は同じなのだとつくづく思う。

一年十か月の四代目は祖父の胡麻塩頭は見慣れているが、私の白髪は異様に感じるらしく距離をおく。あえて私は抱きたい気持ちをおさえた。
次に会ったら、ぜひぜひ抱っこさせてくださいネ。

この家族に新しく加わった者。又社会人となる三代目もいる。
これからの人生、各々の道を楽しんでと願う。又、ブレずにイエス・ノーの言える人であってと。

私の命の道を振り返れば、これだけの人たちが続いた。
私達夫婦もまんざらの人生ではなかったと逝った夫に報告しましょう。
バトンタッチはどこまで続くか分からないが、一人ひとりに心から感謝している。

これから奈良でも花だよりが聞かれましょう。
心にたくさんご褒美をいただいた家族集結の最高に良い日をありがとう!

                            弥生二十七日

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