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カップルによくあるあの問題.../エッセイ

    安易に男女(性)差とは言えないご時世ではまどろっこしい説明になるが、よく共働きの夫婦間、じゃないカップル間において、片方が仕事場での仕事や人間関係の愚痴をいい、もう片方が聞き役にまわる構図が生まれる。
   さらに言えば前者は愚痴に留まらず本人に直接関係のない他人の言動にまで口を出す。そして話は一度では済まず何度も同じ話をする。
    一方、後者と言えば、悩み相談、人生相談を受けたかの如く、その愚痴に対して自分の経験値をフル活用し解決の糸口を述べる。しかし、いかに合理的でバランスの取れた解決策を提案したとしても、前者はその提案を実行に移すことはないし、数日のうちにまた同じ話をする。そして、その話の多くはまったく生産性がない。

   このカップル間の構図は世界的にもよく見られる光景のようで、TwitterやInstagramなどでもこの事を話題にした投稿が散見される。つい先日もこの事に関連した記事を見つけた。コンサルティングの類いの記事で、相談者は後者、いわゆる聞き役からのものだ。

非情なコンサルタント

   その相談者は、家に帰ると共働きの配偶者から会社の愚痴をずっと聞かされるのが嫌で、わざと家に遅く帰って聞かないようにしている、というものだ。
   その相談に対して、コンサルタントの回答は「あなたはその愚痴にたいして上から目線でアドバイスしてませんか?そういった愚痴にたいして、あなたは同じ目線でただ共感し頷くだけでいいのです。」というものだった。この回答に私は声を出して(力なく)笑ってしまった。

   それが出来るならとっくにやっている。世の中には共感できないものに対して「共感する(ふりをする)」ことに大きなストレスを感じる人かいる。ただ話を聞いて頷くだけじゃん?ってことが簡単ではなく、同意できない話や悩み事をきいて、共感や生返事ができない、またその事にストレスを感じる人がこの世の中には少なくないと思う。
   道端で初めて会った人との世間話ならばそういった対応も可能だが、ことさら相手が家族となるとそうもいかない。共感できないものに共感し頷くことは、ほぼ相手を "無視" している感覚に近く、つまり相手のことを何も思いやっていない冷めきった関係での行為に近い。(ということは、なんでも "うんうん" と話を聞いてくれる相手は要注意?)

平行線ではあるけども?

   ここまで書くと「もしや、あなたのところも?」と声が聞こえて来そうだが、はい、その通りビンゴです。ご多忙に漏れず流行りに乗り、我が家もどっぷりこの構図である。
   ではこの問題をどのように解決しているのかと言われれば解決出来てない。未だに私のストレスがピークに達すれば「会社の愚痴はしばらくやめてくれ」と嘆願するくらい。でも、愚痴話を一つのアイデンティティまで高めている人もいるので無下に禁止することも可哀想である。そこで、過去に試した中で効果的なものがあったので、偶然にもこのエッセイを開いた悩めるカップルの関係改善の一助になればと紹介する。

・話に必ずオチを付けてもらう
これは聞き役が最後にツッコミをすることで終われるのでうんうんと聞いていられる。

・話にボケとツッコミを入れてもらう
これは漫才師並みのかなり高度な話術を要求されるが、この話術を会得してもらえれば聞き役は笑うだけで済むので、話を聞きたくなり、むしろ家への帰宅は早くなる。

・話し役、聞き役を入れ替える
曜日によって交互に行ったりする。元来聞き役は会社での出来事を家で喋りたがらない性質がある者が多いが、意外にも喋ってみると抱えてた悩みやストレスが軽減したりもするので、トライするのもオススメである。

・同種同士の語らいの場を設ける
普段そのような答えを求めていない愚痴話が好きな人は、案外その手の話の聞き上手だったりもする。なので外で思いっきり発散してもらうべく、同種同士のおしゃべりの集まりに快く送り出す。当然家事育児は聞き役だった方の担当。

   
   如何ですか?このようなカップル間の問題はいつのころからあるのかはわからないが、所詮カップル関係は十人十色。最後はそれぞれで考えて話し合い、落としどころを見つけていくしかあるまい。まぁ、その見つけていく過程すらカップル間で楽しめるのならば、この問題はさほど大きなものではないかもしれないが。

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