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やっちゃば一代記 思い出(3)

大木健二の洋菜ものがたり
 ビーツ
個人的に「根菜類を絶やすな運動」をしていました。
戦前はよく出回っていたのに、いまでは姿を絶やしてしまうやもしれない
サルシフィー、パースニップ、ルタバガ、トッピーナンポ、ビーツの五種類を特に選び、自前の情報誌を送って、得意先の二百五十軒に消費拡大を訴えていました。この五種類は進駐軍上陸よりずっと前の明治時代から栽培されている洋菜ですが、戦後は需要がなくなり、生産は先細り状態ですね。私の運動もなかなか実を結びませんでしたが、それでもビーツだけは息を吹き返してくれたのでした。ロシア料理のボルシチ人気によって、あの赤みと風味に欠かせないビーツが浮上したのでした。

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