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【観劇感想】2022年 六月大歌舞伎 第一部

12日に観てきました。
もうだいぶ日にちが経って、中日も過ぎてしまいました。
が、中日を過ぎると舞台写真が筋書(パンフレット)に載ったり、出演者の方々もちょっとした裏話などをSNSなどで発信されたりします。

これは、中日までにはファンの大体が1度は観たであろうということだと思うけれど、毎月違う演目がかかっているので、あと半月しかないということもあるかな?と。

なので、演目の内容にも触れつつ感想を書いていきます。


一、菅原伝授手習鏡 車引

三つ子の兄弟である松王丸、梅王丸、桜丸がそれぞれ仕える主君の立場によって、梅王丸&桜丸vs松王丸という構図になってしまったという話。
松王丸が仕える藤原時平は三つ子の父が仕えた菅原道真と対立。時平の企てによって菅原道真は左遷。梅王丸と桜丸が嘆いてるところに、時平の一行が通ることに。そこで恨みを晴らそうと時平の牛車に襲いかかるという展開。
時平、ただ者じゃない雰囲気で倒せず。
むぅー!時平め!という感じで幕。

三大名作の1つ『菅原伝授手習鏡』の中の「車引」。話の内容はシンプルだけど、歌舞伎らしい様式美が見られる演目。
巳之助さんと壱太郎くんの梅王丸と桜丸がとても良かった。

このあとに続くのが「寺子屋」で、松王丸の心の内を知ることになって、色々な意味で涙なしには見られない。

それもこれもみんな時平のせい。
「推し」である猿之助さんがやっていようと、むぅー!時平め!という気持ちは変わらず。梅王丸、桜丸頑張れ!と結末知ってるのに応援する私なのでした。



二、澤瀉十種の内  猪八戒

通天河のほとりに祀られた魔神・霊感大王は、毎年村から生贄を献上させ、人々を困らせていました。
三蔵法師一行は、猪八戒に女の童の姿をさせ生贄の身代わりとし、大王を退治することに。
しかし八戒は大王を待つうちに酒を飲み酔っぱらってしまいます。そこへ恐ろしい形相の霊感大王が現れ…。

歌舞伎公式総合サイト 歌舞伎美人より

という内容の舞踊劇。
これが凄かった!!
始まりは村人達が食べ物などを献上し、踊りを献上し、あとは猪八戒に任せようと退散。

童女実は猪八戒 猿之助さん登場。
そこからほぼ舞台に出て踊ってるというとんでもなくハードな演目。

童女として品よく現れたのに、お酒をがぶ飲みしてからは酔っぱらって足元ふらつかせながら踊り、霊感大王 猿弥さんが現れてからは更に酔いが回り、大王を振り回す。
踊りもだんだんテンポアップしてタップ踏めるんじゃないかという足さばきも。
猿之助さんと猿弥さんの二人踊り面白くて笑っちゃうんだけど、凄い。
八戒としてバレそうになるところが眼目。大技連発だった。


ここまで結構長く感じたから、猪八戒として姿現す前に幕かと思った私f(^^;

孫悟空 右近さんと沙悟浄 青虎さん登場。そうだよ他にも登場人物いたよ!
この二人も頑張ってた!
右近さんは観劇日の時はまだ頑張ってるという感じだったけど、きっともう自分のものにしてるはず。
なにより孫悟空が似合ってる!

そしていよいよ大立廻り。
竹本連中も囃子連中も盛り上がって、更に綺麗どころ女怪の笑三郎さん笑也さんも登場。
花道を踏み鳴らして劇場が揺れる。
これが好きだったりします。


ん?なにやら派手な立廻り。この動きただ者じゃない人達がいるな?
アクション専門の方々も出演されてたようです☆スーパー歌舞伎Ⅱを観てる人にはお馴染みのアクション専門の方々d(^-^)
歌舞伎座で!やったね!

観てるほうは、それぞれの動きが激しくて、どこ見たらいいか分からない状態になりました(笑)澤瀉屋あるある。

互角の戦いで、最後どうなったっけ?
とにかく、こちらも興奮しっぱなし。
最後に全員で見得をきって幕なのだけど、みんな大拍手。
幕が引かれてからもしばらく止みませんでしたし、私もずっと拍手してました。

最初から台詞なしで、ずっと竹本の太夫さんが語りと台詞を担ってるのは初めて観たかも。だけど、台詞あったら最後まで体力もたないだろうな。

一番若いであろう右近さんが頑張ってる感じだったけど、それをなんともない感じでやってる澤瀉屋の皆さん。恐るべし体力と気力。

約1時間の演目だけど、これでもかというくらい見所を詰め込まれてました。
お客さんを飽きさせない演出、さすがです。


第一部、古典の名作と、スーパー歌舞伎Ⅱ並みの面白さの復活舞踊劇。
見ごたえがありました。
初めての方にもバランスが良くて楽しめたのではないかと思います。
これは配信になっても見る可能性があるな。

今のところ毎月の公演後に各演目の配信がミレールで見られます。
諦める月や部もあるので、スマホの小さい画面で迫力などは感じられなくても、見られるのはありがたいです。

以上、今月の歌舞伎観劇感想でした。




坂東竹三郎さんの訃報、残念です。
私はきっかけは他の演目だけれど、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』から歌舞伎観劇に通うことになったのですが、そのワンピース歌舞伎でベラドンナ役をされてた竹三郎さんを見ました。
それから弥次喜多で竹三郎さんが劇中劇で80歳なのに静御前をやるっていう設定で、「頑張らなくっちゃあ」っていう台詞を言ってたのがとても可愛らしくて印象に残ってます。

ご冥福をお祈りします。

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