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「眩惑のブロードウェイ」徹底解説

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ジェネシスが1974年にリリースしたコンセプトアルバムThe Lamb Lies Down on Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ) 。リリース50周年をむかえた今年… もっと読む
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〜はじめに〜 祝リリース50周年 The Lamb Lies Down On Broadway

今年(2024年)は、The Lamb Lies Down On Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ)が発売され…

〜序章〜 The Lamb Lies Down on Broadway の概略

細かい話に入る前に、まずは概略としてまとめてみました。はじめて聴く人もいるかもしれないし…

〜第1章〜 The Lambにいたる時代背景

ジェネシスが The Lamb Lies Down on Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ) の制作とリリ…

〜第2章〜 The Lamb前夜 ピーター・ガブリエルの憂鬱

The Lambのリハーサルに入る直前、ピーター・ガブリエルは、いろいろな悩みを抱えていたよう…

〜第3章〜 The Lambの制作 (1)Headley Grangeでの曲作りと、ピーター・ガブリエルの…

さて、Selling Englandのアルバム制作を終え、ツアーも始まり、次のアルバムへの意識が出てき…

〜第3章〜 The Lambの制作 (2)Glaspant Manorでのレコーディング

Headly Grangeでのリハーサルを終えたバンドメンバーは、そのままロンドンに戻ることなく、次…

〜第3章〜 The Lambの制作 (3)アイランドスタジオでの最終作業とアルバムの完成

8月19日にGlaspantでのバックトラックのレコーディングを終えたメンバーは、各自が自宅に戻り、次にロンドンにある、アイランドスタジオでの作業にうつります。 仕上がらない歌詞 通常レコーディングが全て終わっていれば、最後の作業は、ステレオへのミックスダウンだけとなるわけですが、この時点でまだボーカルトラックがほとんど録音されておらず、様々な作業が同時進行で行われるという、バタバタなフィニッシュ作業となるわけです(*1)。 ピーターは、相変わらず歌詞が仕上がらず、「

〜第4章〜 The Lambの内容 (1)ストーリーの「参考」となったコンテンツ

どのような芸術作品にも、そのベースというか、創作者がインスパイアされたネタというものがあ…

〜第4章〜 The Lambの内容 (2)RAELの名前の意味とは、The Lambの意味するものとは

主人公はなぜRAEL(レエル)という名前なのか これもまず一番最初に、ピーター・ガブリエル…

〜第4章〜 The Lambの内容 (3)brother John は兄なのか弟なのか?

今回は、ちょっと息抜き的なテーマで行きたいと思います(笑) The Lambのストーリー、全歌詞…

〜第4章〜 The Lambの内容 (4)謎の前書きとその解釈

さて、第4章のしめくくりとして、インナースリーブを埋め尽くしているあのストーリー(以下【…

〜第5章〜 アルバム全曲解説 (1)A面-1 The Lamb Lies Down on Broadway

いよいよ、この記事からアルバムの収録順に1曲づつ解説していきます。この作品、インナースリ…

〜第5章〜 アルバム全曲解説 (2) A面-2 Fly on a Windshiled 

歌詞はこちら 【テキスト】【歌詞】とその内容 レエル登場のオープニングから一転、雰囲気の…

〜第5章〜 アルバム全曲解説 (3) A面-3 Broadway Melody of 1974

歌詞はこちら 【テキスト】【歌詞】とその内容 さて、アルバム3曲目ですが、ここでピーター・ガブリエルの言う「言葉の洪水」となります。この曲では、「肉体から精神が離脱していく瞬間にレエルが見る幻影」が歌われています。この幻影は、パレードのスタイルをとっており、まさに次から次へといろいろなものが目の前を通り過ぎていくというイメージです。ところがその内容が非常に意味の分からないシーンばかりなのです。恐らくピーターは、ここでお得意の言葉遊びを炸裂させており「意味不明な情景」を表現