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VICEの破綻とジャニーズ事務所

NHK

2023年5月16日 12時02分
アメリカの新興メディア、ヴァイス・メディアは日本の民事再生法にあたる連邦破産法の適用を裁判所に申請し、経営破綻したと発表しました。アメリカの新興メディアの間ではバズフィードも報道部門を閉鎖すると発表するなど厳しい経営環境が続いています。
ニューヨークに本社を置くヴァイス・メディアは15日、日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11条の適用をアメリカの裁判所に申請し、経営破綻したと発表しました。

会社が裁判所に提出した資料によりますと、負債総額は推定で最大10億ドル、日本円で最大1360億円にのぼるということです。

会社は1994年にカナダで設立され、その後、ニューヨークに拠点を移した若者向けの新興メディアで、「VICE」として知られ、過激派組織IS=イスラミックステートが台頭したイラクやシリアでの報道などで高い評価を得ていました。

経営破綻の理由についてアメリカのメディアは、事業を拡大させる中、広告をめぐってIT大手との競争が激しくなり、広告主の企業が支出を削減したことなどで経営が悪化したと伝えています。

会社は事業を継続し、今後、2か月から3か月で資産売却といった再建の手続きを完了する予定だとしています。

アメリカの新興メディアの間ではバズフィードも広告収入の減少などで経営が悪化し、報道部門を閉鎖すると発表するなど厳しい経営環境が続いています。


WWD

2017/12/25公開

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」は、ヴァイス・メディア(VICE MEDIA)社内のセクハラ問題を詳細にレポートした記事を12月23日に掲載した。

 ヴァイス・メディアは、パンクカルチャー誌の「ヴァイス(VICE)」や「i-D」などを擁し、ミレニアル世代の読者を中心に親しまれてきた。近年ではフォックス(FOX)やディズニー(DISNEY)、投資会社のTPGから投資を受けている。

 エミリー・スティール(Emily Steel)による「ニューヨーク・タイムズ」の報道では、アンドリュー・クレイトン(Andrew Creighton)社長を含む同社社員によるセクシャル・ハラスメントや名誉毀損被害の訴えを受けて、同社が出した4つの和解案の他、20数人の女性社員によるセクハラ被害の証言や目撃情報を詳細に掲載されている。

 この報道を受けてヴァイス・メディアは「ニューヨーク・タイムズ」で声明を発表。その声明には「過去1年間の社員の声を聞くと、報道が真実であることは認めざるをえない。社内のトップから末端まで、すべての社員、特に女性が尊敬と成長を感じることができるような、安全で差別のない職場を作ることができなかった。昔からわれわれには、マネジメントのミスがきちんと管理されず増殖しても許される風潮があった。この風潮の中には不適切な行動を助長する“ボーイズクラブ”的なカルチャーもあり、社内全体に浸透していた。われわれは設立以来、時代の変化に対応し革新を進めてきた。だが、社員に対する不適切な態度を防ぐような社内の仕組みづくりにおいては、メディアの成長に追いついていなかった」と書かれていた。

 「ニューヨーク・タイムズ」の報道や噂が広まって以来この数カ月間、同社はダイバーシティ・アンド・インクルージョン諮問委員会(Diversity and Inclusion Advisory Board)を設立した他、フェミニストのグロリア・スタイネム(Gloria Steinem)に協力を求め、3人の社員を解雇。さらに新しく女性を採用するなど、以前の社内文化からの脱却に努めている。


セクシャルハラスメントは表面化すると著しく企業業績の悪化につながるのかもしれない。もしもジャニーズ事務所がヴァイスメディアと同じ道を辿る場合、各企業はこの問題の根絶に神経を注がなければならない。怠れば明日は我が身。ジャニーズ事務所は被害者達から集団訴訟された場合巨額な賠償金を払えるほど体力があるのだろうか。なかなか大変な道のりだ。