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両立支援を行っていくには、職場の地固めが大切ですね。

岡山のキャリアコンサルタントMICHIKOです。

久しぶりにnoteを書いています。
今日は、あるクライエントからの相談内容について、私自身の考えたことをお伝えしていきます。

先日、こんな相談がありました。
相談内容は、職場の人間関係についてでした。
しかし、職場の人間関係と言ってもいつもとは少し違っていました。
具体的には、メンタル不調で休職していた方が、職場復帰されたことにより、
職場内での仕事の分担や職場復帰された方への対応などについて、
ストレスが溜まってしまい、自分自身が体調不良になり退職を考えているという内容でした。
仕事の負担も増え、どんな配慮が必要なのかがわからず、職場内での人間関係もギクシャクしてきたと。
そんな中で、相談者自身も常にイライラしはじめ仕事への集中ができなくなり、
ミスが増え、注意を受けることもしばしば。
こんな状態が数ヶ月続き、退職を考えるようになったとのことです。

多様な人材が同じ職場で一緒に働くことは、今後ますます増加していきます。
このようなご相談も、今後より増えていくことも予想されます。

多様性を受け入れるということを声高にいうことは簡単です。
しかし、現場で一緒に働く人の立場になれば、「配慮してあげてね!」だけでは、どうすれば良いのかわかりません。
また、職場内での仕事の再設計ができていない場合には、仕事の量や内容なども変化し、そのことからの負担もメンバーにとっては大きくなります。

職場復帰などに見られる多様な人々を受け入れる必要は、職場のメンバーの方々も理解していても、実際にその運用面でのフォロー体制や仕組みがなければなかなか定着していきません。また、逆に反発される場合もあります。

今回の事例でも、職場復帰者へのフォロー体制はあるものの、職場のメンバーへのフォロー体制がとられていないのが現状でした。そのため、職場のメンバーも時間の経過とともに時短で退社後の仕事を引き継いだりと自分の仕事+αの仕事で疲弊していっている状況です。

この相談者のような職場も多いのではないでしょうか?

キャリアコンサルタントとしても、両立支援については学んでいます。
しかしながら、両立支援システムや体制づくりの必要性にとどまっています。
総務・人事担当の方々も同じなのではないでしょうか?
制度の必要性や制度構築については、知識として得ているものの、実際の運用については、まだまだ不十分な知識と経験です。
このことが、両立支援制度を阻んでいる原因です。

実際に運用していくためには、組織としてのしっかりとした仕組みづくりが必要ですよね。
ご本人はもちろんのこと、ご本人以上にフォロー体制が必要なのは、受け入れ側の職場のメンバーなのではないでしょうか?

多様な働き方を認めるということは、本人はもちろんですが、
本人以上に同じ職場のメンバーの理解やその職場のメンバーを支える仕組みが必要です。また、受け入れる方々への日頃の業務に対する承認や評価も必要だと、私自身は考えています。

今回は、ご相談者の立場からの状況確認ではあります。
しかし、フォローする立場を経験された方が、フォローされる立場になった時にご自身の経験を下記のように話されていました。
「先輩社員が産休に入られ、その穴埋めをしていた経験から自分が産休する立場になった時、同じ職場の方々への「申し訳ない」という想いが強くある。」
この方の事例からも、この「申し訳ない」という気持ちを強く持つようであれば、
やはりその職場は多様性を受け入れる体制や仕組みができていない職場だと言わざるを得ませんよね。

キャリアコンサルタントとして、多様性の受入れへの問題を聞く立場からは、
「多様な方々を受け入れるためには、制度ありきではなく、まずは受入れ体制を整えることから始めることが重要だなぁ。」といつも強く思っています。

両立支援を受け入れている職場での悩みを聞くたびに、ご本人へのフォロー体制だけでなく
①職場のメンバーの方々への理解を求めることと、そのことへのフォロー体制をしっかり整える。
②その職場の仕事内容を再構築・再設計する。
この2点も両立支援・多様性を受け入れる職場づくりには必要です。
制度を導入し、あとは現場で頑張ってね!では済まされません。

「働きやすい職場づくり」の職務を担っている方々には、
是非、この2つのことにしっかりと目を向けて欲しいと思います。

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