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ジキルとハイド 3/6

東京国際フォーラムホールCで上演されていた「ジキルとハイド」を観劇しました。
作詞脚本はレスリー・ブリカッス、作曲はフランク・ワイルドホーン。
偶然にもスカピンに続き今年2本目のワイルドホーン作曲作品でした。

原作小説「ジキル博士とハイド氏」は例によって未読です…。

19世紀後半のロンドン。若き医者であり科学者であるジキルは、老いて耄碌した父を元の父に戻したい一心で、人間の心に潜む善悪2つの別人格について研究をはじめた。完全な善意をもってすれば、完全なる悪意を消し去ることができるという持論の元、ジキルはある一つの薬を作り出す。
ジキルは有識者による理事会で、この薬を使った人体実験の承諾を得ようとする。ジキルの婚約者エマの父であるダンヴァース卿のとりなしもあったが、理事たちはこれを倫理に反し、神に対する冒涜であると却下。
失意のジキルを慰めようと、親友アターソンは夜の街へとジキルを連れ出す。そこで出会った娼婦ルーシーの心に触れてジキルはあるひらめきを得、彼女に何かあったときにはと名刺を渡して去った。
ある「ひらめき」。それは自らを実験台にすること。ジキルは薬を飲み、ジキルの悪意=ハイドが現れる。
薬によってジキルから変身したハイドは、夜な夜なルーシーの元に現れては強引に力尽くで屈服させるその一方で、侮辱した理事会のメンバーをその手にかけていく。
次第に薬なしでも現れるようになったハイド。ジキルは自分の記憶が曖昧になっていることと、連続殺人と、彼の元に現れたルーシーの怪我とを見て全てを察する。そしてジキルは全てを元にもとすべく実験室に篭った。親友と、彼を愛する婚約者の心配をよそに……。(Wikipediaより)

原作小説はあらすじだけ読みましたが、やはりミュージカルはだいぶオリジナルな展開になっているようです。

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今回一番注目していたのが、メイン3役(ジキル、婚約者エマ、娼婦ルーシー)のキャストでした。
前回公演(2016年)も観ていたので展開や音楽は知っていたのですが、
前回は良家のお嬢様役のエマをやっていた笹本玲奈さんが今回は娼婦のルーシー役…ということでびっくりしました!
蓋を開けてみれば見事な変貌ぶり、思えば力強い歌声の方なのでむしろはまり役なのでは?

変貌ぶりと言えば石丸幹二さん。
良く考えたら今まで私が見た幹二さん出演作って、一つとして似た印象の役が無いです。
今回もジキル&ハイドという二重人格の演じ分けがすごい!
一番象徴的なのが終盤の2人の対決ナンバーです。数フレーズごとにジキル状態とハイド状態が入れ替わって言い争いをする…と言うシーンなので一瞬の演じ分けの技術と迫力がすごかった!

そして今回初出演の宮澤エマさん。他作品ではシスターアクトのロバート役で見たことありますが正統派ヒロインな感じがイメージぴったりでした。
(というか宮澤喜一の孫だそうなのでガチお嬢様??)

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「ジキル」と「ハイド」という人間の二面性が終始テーマとなっていたこの作品。
主人公に限らず、他のキャラクター(主人公と敵対する病院理事の面々、ルーシーなど)もそんな一面が示唆されていたことも、
ジキルは薬でおかしくなった…というよりは理性で抑えていた自分でも自覚していなかった本音、欲望が薬をきっかけに発現してしまった、という印象を受けました。
ハイドが突然ルーシーを追いかけ始めたのも以前は不思議だったのですが、
今回ルーシー初登場のナンバーをよく見たら、ジキルは乗り気じゃないと言いながらさりげなくルーシーをガン見してたんですよね。たぶんそういうことだったんだろうな。。

そう考えるとノートルダムの鐘のフロローって、素の状態であそこまでエスメラルダの悪質ストーカーになっちゃうんだからすごい。笑

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東京公演は終了していますが、3/30(金)から大阪公演だそうです。
全然関係ないですが、4/27から「酒と涙とジキルとハイド」という三谷幸喜の演劇が東京芸術劇場で上演されるということを知りました。笑
その名の通りジキルとハイドベースのコメディ。

ジキハイ繋がりでちょっと見に行ってみたいかも。

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