「 1on1 」 について

amazonで検索するとタイトルで「 1on1 」絡みの本は3冊しか見つからなかった。

・ヤフーの1on1
・1on1マネジメント
・シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング 

この中から比較的新しい2冊の「1on1マネジメント」と「シリコンバレー式〜」を読んで1on1について考えてみた。

1on1とは?

1on1とは基本的には上司(マネジャー)と部下が定期的に対話をする時間のことである。そしてこれは重要なことなのだが、1on1は部下の持ち物である。部下が主体的にスケジューリングを行い進めていく。なので1on1は嫌がるものではなく、むしろ喜んで上司を活用(使い倒す)するものであるのだろう。

マネジャーは?

大変である。自分自身の内省が出来ているのは前提であるし、
1on1が部下のモノであるというスタンスにたてば、聴き役に徹して口数を少なくして、すぐにアドバイスしたくなるのも堪えて耐える必要がある。

そして直接的には書かれていないのではあるが、一番大事なことは
人に対してどれだけ興味があるか?
これに尽きると思う。
それもスキルや技術的な表面的に分かりやすいところではなく、その人の「健康・体調」、「思考・行動」、「価値観」、「内的動機」をいうところを目に見えないモノをどれだけ掘り下げることができるのか、というところである。そしてそれを部下一人ひとりに行うのである。

バブル経済が崩壊した1990年代半ば以降に導入された成果主義人事の仕組みが、日本企業におけるマネジメントの方法を大きく変えました。厳格な目標管理制度が採用された結果、マネジメントの力点は人を大切にすることから、目標の達成度を管理することに移りました。マネジャーは結果の数字や途中のKPIを管理することに追われ、一人ひとりを動機づけたり、成長させたりするためのマネジメントは希薄化していきました。
成果主義の導入以来、ほぼ20年が経過しました。この20年という期間が重要な意味を持っています。なぜなら、20年経つとマネジャーがほぼ入れ替わるからです。そのため、現在のマネジャーの大半は、成果主義以外のマネジメントを経験したことがありません。つまり、ピープルマネジメントの方法を上司から教わったことも、実践したこともないマネジャーがほとんどを占めているのが実情なのです。だからこそ逆に、ピープルマネジメントスキルが貴重になるのです。

~1on1マネジメント

上記にあるように、現在のマネジャーのほとんどはそのやり方を教えてもらったことがないし、自分が部下として受けたこともない。なので手探りの状態から始めることになる。

部下は?

1on1が我々のモノであるという前提に立てば大分気が楽になる。
とはいっても何も考えずにただ参加するのではなく、大事なことは同じで
人に対してどれだけ興味があるか?
であると思う。
マネジャーはどういうことを考えているのか、何に基づいて動いているのか、むしろ部下がマネジャーに対してカウンセラーを行うぐらいの気概で当たるのがいいのではないだろうか。
もちろん自分自身が何ものであるのかという内省は行うべきである。

対話

マネジャーと部下が上記の心構えが出来た段階で、初めて顔を合わせた時に本当の意味での1on1が動き出すのではないのかと考える。その状態であれば新たな発見や気づき等の、新しい何かを生成することができる。
ふと思ったのであるがヘーゲルの弁証法に似ているのではないかと。誰かがそれを輸入して分かりやすく書き直して企業のマネジメントに適用させてのではなかろうかと。

手法

細かい手法はたくさん書かれている。

しかし、お互い窓口が開いた状態で小手先の手法にとらわれることなく相互理解が深まれば、自然と今の業務の悩み、会社のこと、今後のキャリアの話が湧き出てくるのではないかと考えられる。
相互理解が出来ていない状態で手法を駆使しても土台が出来てない場所にマンションを建てるようなもので崩れるときは一瞬である。

NonN

1on1におけるマネジャーとメンバーの対話は1対Nの関係にありますが、チームメンバーどうしで相互理解を深めるためには、N対Nの対話の機会も必要です。そのために、業務上のコニュニケーションから離れて互いの価値観を語り合うような場を儲けることも有益です。そこでは、たとえば、これまでにもっとも充実した体験や最近にあった誇れることを披露しあってもよいでしょう

~1on1マネジメント
1on1は、上司と部下の間だけで行うものではありません。シリコンバレー企業では、ヨコの関係=他の部の同じ役職の人と現状の課題を擦り合わせたり、今後どんな協力が行えるかなどを話します。そして、その情報を持ち帰り自分の部下に話すのです。そうすることでいわゆる「セクショナリズム」がなくなっていきます。それどころか、積極的な協力関係が生まれるのです。人間は、よく知るものには寛容になるものです。 一方で、人間は知らないことや人に関してはクールに反応しがちです。例えば満員電車の中でぶつかってきた人が見知らぬ男性だったら、その男性を礼儀知らずで非常識な人と悪く思うでしょう。しかし、それがよく知る会社の同僚だったら、笑ってぶつかり返すかもしれません。人間は知らない人が取るネガティブな行動には、より一層悪いイメージを持ちます。それがセクショナリズムの正体です。お互いの部門の細かい事情を知らないのです。何に困っているのか? どう一生懸命努力しているのか? そういったことをヨコの1on1を通じて話していくことで、組織全体が良くなっていくのです。

〜シリコンバレー式

NonNは上下の関係ではなく横軸の関係も重視している。同じチーム内の横だけではなく別チーム間との横軸ももちろん含まれている。

ついて行きたくないリーダーを思い浮かべる

「あなたはどのようなリーダーシップを発揮したいか?」という問いに、マネジャーは答えられる必要があります。ただ、いきなりそう問われても、すぐには答えにくいに違いありません。そこで質問を変えて、「どのようなリーダーについて行きたいか?」であれば少しは答えやすそうです。ただ、理想のリーダー像を備えた人は身近になかなかいないため、これでも明確には答えにくいかも知れません。そこで、さらに質問を変えて、次の問いについて考えてみましょう。

・あなたはどういうリーダーについて行きたくないですか?

「ついて行きたくないリーダー」の特徴は、たくさん思い浮かべられるはずです。

~1on1マネジメント

ついて行きたくないリーダーから理想のリーダーを求める。なるほど。面白かったので最後に紹介した。


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