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中小企業の持続可能性とリスク回避には、「デジタル人材」が絶対的に要る理由

先頃の技術の進展は止まることなく、個人的には「日進月歩」どころの進み方ではないと感じます。日本の数ある中小企業、実に99%以上を占める中小企業が、この変化の波に乗り遅れることは、何を意味するでしょうか。これは「競争力を失う」ことを意味します。
そうかといって、それを防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか?
今、多くの企業が必要としているのが「デジタル人材」です。
では、なぜデジタル人材がそこまで重要なのでしょうか?
この記事では、デジタル人材が「絶対的に必要な」理由について触れていきたいと思います。

市場競争力の維持を左右するリスクとは?


市場にとってのリスクの図

東京商工リサーチの「休廃業・解散企業」動向調査によれば、2022年の休 廃業・解散件数は 49,625件で、前年比11.8%増 にとなっているとのことです。

資料︓(株)東京商⼯リサーチ「2022年『休廃業・解散企業』動向調査」

中小企業白書2023年版第1部第2章 - 「新たな担い手の創出」より出典

デジタルスキルを持たない企業の収益は、スキルを持つ企業に比べて平均30%も低いという一説もあるほど。もちろん、これだけで「必要性」に迫れるわけではありませんが、デジタル化が、企業の収益性に与える影響の大きさを物語るひとつの物差しになるとすると、上記のように廃業・解散に陥らないための「今できる対策」の一環として企業、個人のデジタルスキルは底上げしているほうがそのリスク軽減になります。
デジタルスキルの不足が引き起こすリスクには、他のリスクも存在します。

他の懸念されるリスク

  1. イノベーションの遅れ:何か変革を起こしたい、新規事業を発案したいというとき、デジタル技術が活用できないことにより、新しいビジネスモデルやサービスの開発が遅れ、市場での優位性を失う可能性があります。

  2. 顧客基盤の縮小:テレワークの浸透により、オンラインでの可視性が上がったにも関わらず、アクセシビリティを低いままにしておくことによる、顧客獲得の機会損失、特に若い世代の顧客を獲得する機会を逃します

  3. 運営コストの増大:デジタルツールを活用しないことで、作業の効率化が図れず、結果的に「何を削るのが最適解か」を定性的な指標(上長評価・データに基づかない肥大コストの不知など)でしか図れない運営が続く可能性があります。

対策としてのデジタルスキルの向上

これらのリスクを軽減するには、中小企業が自発的にデジタルスキルの向上に努めることが不可欠です。
具体的には、以下のようなアプローチがあります。

  • 教育とトレーニング:従業員に対するデジタルスキルの教育とトレーニングを定期的に行う。

  • テクノロジーの導入:効率的な業務運営を実現するための最新テクノロジーの導入。

  • デジタルマーケティングの強化:ブランド認知度を高めるためのデジタルマーケティング戦略の策定。

特に1つめに記述した、教育とトレーニングですね。
リスキリング」「人への投資」こういった表現をされていることもありますが、日本人は諸外国に比べて成人以降の学習度合いが低い傾向も以前から言われていることなので、「自社のために教育」はもちろんそうなのですが、プラスアルファで、業務内容のみならずIT利用、デジタルスキル習得を進めてほしいと思います。

地域社会における協力体制の構築


協力体制の構築

もうひとつ、地域全体での協力体制を構築することも、中小企業のデジタル化を加速させる重要なスキームになってきます。個社がそれぞれ進めるのが大前提ではあるのですが、そうはいっても周囲の企業の努力姿勢や、進行具合が気になることでしょう。だからこそ、地方自治体や地域団体と連携し、デジタル化支援のプログラムに声を掛け合って参加することが求められます。こうしていくことで、リソースが限られている中小企業でも、必要な事例を持ち帰ることが容易くなったり、協力体制内においての支援を受けやすくなるでしょう。

まとめ

以上のことから、デジタルスキルが不足するリスクはお分かりいただけたと思いますし、こうした人材・スキルが「必要だ」と言われていることにも関心をお寄せいただけたのではと思います。

繰り返しになりますが、日本企業の99%の中小企業が「少しでも」先進事例に基づいたやり方を学んでみる、「少しでも」従業員への投資をする、「少しでも」業務委託の利用で体制構築を図る、こういった最初の「何か」を始めることを、同じ中小企業の1人として望んでいます。

今回はここまで、次回もよろしくお願いします。

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