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「論理的思考法」クイズ!【第7問】「国民から疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」

政治家発言の「コント」

日本の政治家は、いつから「お笑い芸人」になったのだろうか? 彼らの発言を聞いていると、まるで「コント」である。コメディアンが観客を笑わせようと意図しているのであれば理解できるが、彼らは国会や委員会や記者会見において公式声明を発しているのである。もはや、幼い子どもたちからさえ、大笑いされるレベルではないか!

読者は、次の発言をどのように思われるだろうか? その発言のあった状況を改めて確認した上で、なぜ「コント」になるのか、どこまで非論理的なのか、いかに日本語が破壊されてしまっているのか、自分自身の頭でよく考えて、発見してほしい。「論理的思考法」のよい訓練になるはずである。

「国民から疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」

2021年3月10日、武田良太総務大臣は、衆議院予算委員会で、NTT社長との会食があったかどうかを問われ、「個別の事案に答えるのは控える。国民の疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」と述べた。

その前提として、次のような状況がある。いわゆる「大臣規範」では、「供応接待を受けること」を「国民の疑惑を招くような行為」とみなし、「してはならない」と明確に定めている。そのため、武田氏は、NTT側との会食が「あったのか、なかったのか」の「事実」については直接答えず、「国民から疑惑を招くような会食や会合に応じたことはない」と曖昧な答弁を繰り返し、野党が反発して、10日の審議は打ち切られた。

国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範
……
(6)関係業者との接触等
倫理の保持に万全を期するため、
① 関係業者との接触に当たっては、供応接待を受けること、職務に関連して贈物や便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならない。

その後、10日から15日にかけて開かれた4回の予算委員会で、武田氏は、同じ趣旨の質問に対して「合計25回」も「国民の疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」と繰り返したのである!

さて、「会食や会合」は、「あったのか、なかったのか」、どちらかの事実である。それが疑惑を招くか否かを決めるのは「国民」であり、武田氏が身勝手に断定するものではない。

さらに、週刊誌報道で追い詰められた武田氏は、結果的にNTT社長と「会食や会合」した事実を認めた。つまり、認めざるをえない状況に追い込まれて、ようやく認めたわけである。彼は、言い逃れに終始して予算委員会を無駄に6日間も空転させた責任を、どのように考えているのだろうか?

なぜ武田氏は、これほどまでに信じ難い「詭弁」を弄さなければならないのだろうか(笑)?

ヒント:「言い逃れ」・「身勝手な断定」・「舌先三寸」

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