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四月になれば彼女は

恋愛に答えなんて存在しない。
そんなことわかっている。

恋のはじまりは突然なように、終わりもまた突然とやってくる。

人はみなどこかで孤独やさみしいという気持ちを抱えている。
私たちは思っている以上に強くはないから。
誰かと一緒にいたいと思い、誰かに恋をし、愛する人と出会うのかもしれない。



公開中の映画「四月になれば彼女は」を見てきた。
原作も昔に読んだことがあったけど、ストーリーは鮮明に覚えていないし、キャストも豪華だったから見たいと思った。

恋愛についていろんなことを考えさせられる作品だった。

  1. 男女の恋愛の違い

  2. 「愛を終わらせない方法」

  3. 恋愛、結婚、愛するとは

(ネタバレ含みますのでこれから見る方はここでストップしてください)

1.男女の恋愛の違い

佐藤健さん演じる藤代と長澤まさみさん演じる弥生の恋愛を見ていて、男女の恋愛の違いに気が付いた。

藤代と弥生は結婚間近で同棲しているが、弥生の心の中では言葉では言い表せない、孤独のような、このまま藤代と結婚していいのか、なんかもやもやする気持ちをずっと抱えていた。

反対に藤代は何も問題がないような感じで、結婚式のチャペルを下見にいき、引き出物の話をして、弥生の変化には一切気が付かない。

藤代と弥生が付き合い始めた当初に一緒に買ったワイングラスが割れたことがきっかけで、何かが弥生の心の中でも弾けた。
弥生は藤代とのことも含めて、自分が失ってしまったものを取り戻すために藤代の前から姿を消す。


私は弥生の気持ちにすごく共感できた。
もともと弥生は結婚しようとしていた相手がいたけれど、その人と結婚することが決まってからは不眠症になってしまう。
結婚への不安、未来への不安、この人は本当にずっと私の事を好きでいてくれるのかの不安。いろんな不安があったんだと思う。


恋愛は答えがなくて、目には見えないものだから時々怖くなる。
好きな人がどれだけ愛をくれても、どれだけ言葉で伝えてくれても、それだけじゃ埋まらない、埋めることのできない何かがある。

相手の気持ちがずっと変わらないなんてことないし、一生一緒にいてくれるって保証もない。
だから怖くて、逃げだしてしまいたくなる。
幸せから落ちていくのは怖いから。

藤代が勤める大学病院の同僚である小泉奈々に、弥生がいなくなってしまったことを相談したときの藤代の発した言葉。

弥生とはコミュニケーションは取れていた。
ごはんも一緒に食べていた。
愛することは、、、。

そんな状態でよく結婚しようと思ったねと言われる。
それはそうだと私も思ってしまった。
あくまで世の中の女子がみんなそうとは限らない。
だから私の意見として述べさせてもらう。

女の子には気分に波がある。それに加えて女の子はみんなわがままだ。
”さみしい時は一緒にいてほしい”
”いつだって話を聞いてほしい”
”ずっと自分の味方でいてほしい”
”今日は一人がいい”
”今日はいっぱい愛してほしい”

そうやって自分の中で心の状態がコロコロと変わっていく。
その変化に対応できる力を女の子は持っている。
だから変わらない関係を続けていくことの方が怖いと感じるし、相手の気持ちがいつかは変わってしまうことにも不安がある。

いつも一緒にいてくれてるなら、伝えなくてもそういう些細な変化に気づいてほしい、気づいたなら労わってほしい、最初だけじゃなくて、この先もずっと、私のパートナーはあなたしかいないんだよって思わせてほしい。
あなたと結婚しても大丈夫。って思わしてよ。(私の心の声)


藤代は大学時代に春という恋人を手放してしまった。
しっかり向き合ったけれど春とは一緒にいることができなかった。
その経験から学んだから最後に弥生の居場所を突き止めて、彼女を迎えにいった。
弥生もなくしてしまったものを見つけに春に会いに来て、気持ちの整理がつき始めたときに藤代が迎えに来てくれた。
タイミングもあるかもしれないけれど、お互いが離れたことで気持ちを確かめることができたのかもしれない。

佐藤健さん演じる藤代と長澤まさみさん演じる弥生が男女の恋愛のすれ違いをうまく表現されておりました。(さすが名俳優さまです)


2.「愛を終わらせない方法」

弥生は藤代に問います。
「愛を終わらせない方法は」と。
こういう抽象的で哲学要素の強いセリフ大好物です。

私も映画を見ながら自分が問われたらなんと答えるのが正解なのかを考えていました。

答えは「手に入れないこと」。

これはザ・恋愛って感じですね。
欲しいものが手に入らなければ手に入れるために頑張ります。
その対象物が人であり、さらに自分が想いを寄せる相手なら尚更です。

男性脳が強い人は特にこの傾向が強いのではないでしょうか。
追いかけたい恋愛が好きな人。
手に入らないから、愛は継続され、手に入れられそうなときに燃え上がり、手に入れば愛は冷めてしまうのかもしれません。

物語の中で弥生が「愛を終わらせない方法」は「手に入れないこと」。
と藤代との場面を振り返るシーンがありました。

一緒にみればいい映画も別々の部屋で見て、互いに干渉しすぎないで、愛することもさぼってしまった。

恋愛において小さな毎日の積み重ねが大事で、2人が愛し合っているのなら小さな愛を2人で一緒に大きな愛にしていかないと愛は長続きはしない。

どちらか一方だけが重くなってしまっても駄目で、お互いが心地よく感じられる関係性を2人で作っていくことができたら愛はきっと長続きすることができる。

最後に藤代が弥生を海へと迎えに行き、一緒に帰るシーンで動物のうんちくを彼女に伝えます。
彼女は動物園で勤務していることから、彼がそこに寄り添い、そして帰ったら2人で映画でも見ようと約束をする。
そこに藤代の成長と一度愛し合った2人ならまたちゃんと愛しあうことができると春の言葉にあったことが具体化されたように感じました。



3.恋愛、結婚、愛するとは

答えのない永遠のテーマ「恋愛とは。結婚とは。愛するとは。」

この「四月になれば彼女は」はこういう抽象的なテーマを読者に考えさせるための作品なのかなと個人的には感じました。

答えのないテーマだからこそ、一人ひとりが歩んできた人生がその人自身の答えとなるような感じです。

私は私なりの解釈をして作品を楽しみましたが、きっと人生経験が長い方だったり、恋愛経験が豊富な方、一生忘れらない恋をした方など、見る人によって捉え方や作品の味わい方は様々かと思います。

ただ久しぶりにこういうテイストの映画を見たので、自分の人生を変えるきっかけとなり、さらに恋愛について考えさせられる作品だったので、記録として書きとどめておきたくなりました。

ここまでお読みくださった方ありがとうございました。

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