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【あがり症】いちばん恐かったもの

あがり症克服のために
トライアンドエラー
(セルフ人体実験ともいう)を
繰り返した、ロン毛のあがり症です。


今回のテーマは、
「いちばん恐かったもの」
です。


今回は、私があがり症と悪戦苦闘した中で
何がいちばん恐かったか、について
書きたいと思います。


いちばん恐かったもの


結論から言うと、
“緊張した時の自分の身体の反応”です。


あがり症の方が、
恐怖する対象は色々あると思います。


例えば、

・他人の目線や表情。
・人目にさらされる状況。
・他人からの評価や批判。    

など、色々ありますね。


私もそれらに恐怖してきましたが、
その理由を突き詰めていくと、
“緊張時の自分の身体の反応”に行き着きます。


身体反応は恐怖のみなもと


あがり症の方
(特にトラウマを負ってしまった方)が
人前で話す時には、

無意識のうちに襲ってくる、
強い身体反応に圧倒されることがあります。

(その理由については、コチラからご覧ください。)


そして、そうなった時には、自分の身体が
どう変化するのかが予測できません。


声が震えてしまうにせよ、
手足が震えてしまうにせよ、
頭が真っ白になってしまうにせよ、

どれくらいの強さで襲われるかは、
全く予測不可能。


これが、ほんとうに恐い。


万が一、症状が強く出てしまった場合、
“舵を失った船”のように
制御不能になってしまうことがあります。


ところが、そういう最悪のケースもあれば、
たまに、うまく話せる時もあったりする。


この不確実性が、実にしんどい、、、


うまく話せて、喜んだのもつかの間、
再び強い身体反応が出てしまい、
落ち込んだりします。


いわば、予測不能な自分の身体の反応に
一喜一憂している状態であり、

感情を強く揺さぶられているような状態。


精神衛生上、極めて良くないと思います。


そして、こうなると、自分の身体反応そのものに
意識が向くようになります。


しかし、気になれば気になるほど、
身体反応への「恐れ」の感情が増し、

その感情によって、
さらに症状が強くなってしまうという
悪循環に陥ります。


このことについて、
私の持っている本には、こう書いてあります。

強い不安を抱えている人の中には、不安の身体症状そのものに恐怖を感じる人がおり、それが症状を悪化させる。フィードバック・ループが形成され、その中で恐怖が強くなるために、今度は生理学的症状を悪化させる。このフィードバック・ループはパニック発作の要因となるし、パニック症の中核的な特徴である。 対象物、思考、状況よりも感覚そのものを恐れるようになる。

セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック (P91)
ティモシー・A・サイズモア


私も、書いている通りの経験をしました。

身体反応は、誤魔化しようのないリアル


あがり症の方は、
“他人からの評価や批判”
に対して、ビクビクしています。


そんな方が、声の震えなどの身体反応を、
他人に見られるとどうなるか?


想像を絶するほどの、
「恥」や、「自己嫌悪」の感覚に
襲われると思います。



なぜなら、身体反応は目や耳で
わかってしまうため、誤魔化しがききません。


その事実がすべて自分に襲いかかってきます。



そして、その時のマイナス感情は、
内なる声によって、
さらに増幅させられることになる。


「みじめったらしい姿を見せてしまった。」
「いつまで、こんな姿をさらし続けるのか。」
「もう、おしまいだ。」


このような思考をぐるぐると巡らせ、
自分自身を窮地に追い詰めます。


いわば、徹底した自分イジメ。


さらにひどくなると、
うまく人前で話せた時でさえ、

「身体の反応が、あったのでは?」
考えるようになります。


こうなると、
「他人から見て自分はどうか?」という
想像でしかない他人軸で物事を考え、

自分というものを
失ったような状態になってしまいます。


まとめ


今回は、私が過去に死ぬほど苦労させられた
身体反応について書きました。


私の経験上、身体反応は、
恐れれば恐れるほど、気にすれば気にするほど、
強くなっていきます。



なので、恐れない、気にしない、ことが大切。


これは、「緊張を受け入れる。」ことと
同じだと思います。


とはいえ、それをやるのも一筋縄ではいかない。


なぜなら、身体反応による恐怖と、
不安を高める思考はセットになっているから。


私の持っている、別の本にはこう書いています。

情動が生じたあと、感情ならびにその感情と関係する思考が生じる

感じる脳(P102)
アントニオ・R・ダマシオ


情動とは、身体反応を伴うような
一時的で急激な感情の動きのこと。


あがり症の方で言えば、
人前に立った時には、恐怖の情動が生まれます。


恐怖の情動が生まれるということは、
おのずとその後に出てくる思考も、
それに影響を受けたものになると言うこと。


だから、どうしても不安を強める思考に
なってしまうんです。





だからといって、そのままではいけません。


緊張を受け入れることを、根気強く、
自分に刷り込んでいく必要があります。


ちなみに、「緊張を受け入れる」とは、
「緊張による“身体反応”を受け入れる」こと。


緊張をコントロールするのではなく、

「緊張して、震えてしまった自分を許す」
「身体反応に、白旗をあげて降参する」
「身体反応を、”いつものやつ”と受け入れる」



こういった姿勢が大切です。


私の体験談が
皆さんのあがり症克服の
お役に立てれば幸いです。

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