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【随想】小説『チルドレン』伊坂幸太郎

チルドレンを読みました。
短編が5つ入っています。

①バンク
②チルドレン
③レトリーバー
④チルドレンⅡ
⑤イン

どのお話も小気味好くまとまっていて、面白かったです。

バンクは、サスペンス
チルドレンは、ミステリー
レトリーバーは、日常不思議系
チルドレンⅡは、ハートフル系
インは、日常まったり系

といった感じでしょうか。

一番ぐっときたのは、④かな。
どの物語にも登場するトリックスター陣内が、
ビートルズの曲を演奏して「奇跡」を起こす話。

読んでる最中は、そうでもなかったのだけど、
読後感は一番良かったなぁ。

ただ謎が解決されておしまいっていうのじゃなくて、
登場人物の心が動く瞬間を、うまく捉えているなと思いました。

また、全体で言うと、
「見えてるものが、実は見えている通りとはかぎらない」
みたいなテーマが通底していると感じました。

本当に銀行強盗なのか?
本当に親子なのか?
本当にただの一般人なのか?
本当に情けない親父なのか?
本当にいつもの陣内なのか?

…実は〇〇なんじゃないか??

あえて問いかけることで謎を生み出していく、
伊坂小説の発想の原点を見た気がしました。


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