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【随想】映画『ハルフウェイ』北川悦吏子

翻弄する北乃きいと優柔不断な岡田将生が瑞瑞しい。

大学に行く行かないの話だけで、1本の映画になるとは。

まるでミルクボーイの漫才のようだ。

全編に渡り、行ったり来たりする揺れる心が描かれる。

映画では、言葉では説明できない感情を情景、現象として映し出せる。

自転車のシーンや廊下のシーンの長回しは、特に映画ならではの表現だ。

Wikipediaを見ると、セリフはほとんどがアドリブらしい。

見終わった後に、細部の描写が印象に残った。

砂利道。濡れタオル。手作り弁当。シャボン玉。パンクした車。水辺の飛び石。ヒロの寄り目。サンドバッグ。ドラムロール。バスケのドリブル。保険の先生の変顔。書道の先生の毛量。シュウのマフラー。携帯電話のハウリング。プールの監視台での抱擁。落ち葉で作った悲しい顔。ヒロが書く「いけな」の文字。ヒロのパーカー✕ブレザーコーデ。ヒロの部屋着のフラワーモチーフ。ヒロが足で押したり引いたりする植木鉢。ヒロの部屋の窓に貼られたオオルリアゲハ等々。

期間限定で、8/17まで配信中。

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