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パニック障害 原稿と線路の共通点

今日は、仕事でちょっとしたプレゼンテーションを行いました。

A4にして3枚半ほどの原稿をひたすら読むだけ。パワーポイントなどは使わず、聞き手の方の手元に資料を置いてもらい、聞いてもらうというスタイル。

私の持ち時間は10分ほどでした。
もう2か月ほど前から決まっていた仕事で、私は今日まで憂鬱な日々を過ごしてきました。

私は人前で原稿を読むのがとても苦手で、読んでいてどこで息をしたら良いかわからなくなり、だんだん過呼吸のようになって心拍数が上がってしまうことがあるからです。

同じ人前で話すにしても、原稿がなく自分の思うままに話せる場合はそんな状態にはまず陥りません。

この人前で原稿を読むという作業は、私がパニック発作を起こしそうになる他の状況と共通点があります。

原稿があるということはもうあらかじめ決められた文章をなぞっていくことで、それは私にしてみれば高速道路や電車と同じようなものなのです。

寄り道が許されない。途中下車が自分の好きなところでできないということ。

高速道路の車線、電車の線路は、一度走り出したらひたすら決められた方向へ進むのみです。

私には原稿という文字が織りなす”行”が、車線や線路そのものなのです。

今日のプレゼンテーションは、20分という制限時間が来たら、たとえこちらが原稿をすべて読み終わっていなくともそこで打ち止めというルールでした。

上司と私の二人で20分。各々10分の持ち時間で原稿を読むのですが、二人の間にストップウォッチを置き、時間内で全て読み終えるかどうか、チラッ、チラッと経過している時間を読みながら確認しなければなりませんでした。

おまけに17分を経過したところではタイムキーパーの方がそれとわかる札をこちらに提示してきます。

こんな窮屈な状態で文章を読んだのはたぶん生まれて初めてだったと思います。

小学生の頃、1000人の全校生徒の前で朝礼台に乗って何かの原稿を読み上げた記憶はありますが、さすがにストップウォッチまでは用意しませんでした。

今日は我ながら良く乗り切ったと思います。

パニック障害の方が発作を起こす場面を色々見聞きしたことがありますが、原稿を人前で読むという行為が発作を引き起こすという話は聞いたことがありません。

でも、外れちゃいけないコースをひたすらなぞるという点において、脱線しない線路を走る電車や高速道路、トンネルを走行することと、行というラインを逸脱してはいけないで読み進めなければならないという行為は、考えてみれば共通点が多いのでしょうね。


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