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パニック障害 初めての受診

私が心身の異変に耐えかねて精神科を訪れるまでどのようであったかを思い出してみます。

背中の右側がまるで丸太でも入っているかのように硬直し、背中がバリバリで頭痛もひどかったように記憶しています。脳神経外科に行ってCTを撮っても異常はなし、マッサージ店に行って背中を20分ほどマッサージしてもらうと少しほぐれるのですが、お店を出てまもなくするとすぐに元の丸太が入ったような状態に戻ってしまいました。

体がほぐれるかとスーパー銭湯に行ってお湯につかり休憩室のベッドで横になっても体は休まらず、まるで何かに突き動かされるような緊張感が持続していました。

ジョギングしたらどうだろう?と少し走ってみてもやはり効果はなく、体はピリピリして張り詰めたような感じです。

心も体も、そんな状態に悲鳴を上げ始めていたと思います。

そして整形外科に行って確か背中のレントゲンを撮ってもらったと思うのですが、異常はなし。その時です、20代後半くらいの、マッサージ師の方が私を診てくださったのですが、彼は私の表情から何か読み取ったのでしょうね。

「体にいくらアプローチしても効果がないことがありますよ」って、何かとても冷静に諭してくれたんです。冷静とは言っても冷たさは感じませんでした。

ここで私は体をあちこち検査して原因を見つけようとしたり、体をほぐす努力をあきらめました。

私が色々相談していた知人も私の様子が尋常じゃないことに気が付き、精神科の受診を真剣に勧めてくれました。こうして私は知人が以前通院したことがある精神科のクリニックを尋ねました。

診断名はよくうつ性神経症。聞いたこともない診断名でした。

医師は「仕事をつづけながら治療していきますか?それとも仕事を休んで治療しますか?」と尋ねました。

私はひとり暮らしだったので人との接点が失われるのはきっとよくない、と考え「仕事は続けながら治療します。」とあまり迷うことなく答えました。

診察を終え精神薬を処方され、受診を勧めてくれた知人が私に会ってくれました。一緒にハンバーガーショップに行って受診の様子などを話したように思います。夕方4時頃だったでしょうか、そのハンバーガーショップで生まれて初めて精神薬を飲みました。その時私の手は震えていたそうです。

そして帰宅し、そのあとの細かいことは全く覚えていないのですが、私の知人は心配してしばらく私の家で付き添ってくれていました。夜になって薬をもう一錠飲んだと思います。

今まで緊張感で体はこわばり、睡眠も思うように取れなかった私でしたが、処方された薬を飲んだら、嘘のように緊張が解けてぐっすりと眠りにつくことができたのです。

朝起きてみると知人の置手紙がありました。その知人が帰ったことにも一切気が付かず私はひたすら眠っていたのですね。

あの時受診して薬を飲むことがなかったら私はどうなっていたのだろう?とそう思います。

精神薬に関して否定的な見解があるのは良く知っていますが、少なくともあの時の私の状態には薬が必要だったのでしょう。他の手段もあったかもしれませんが、例えばその効果が表れるまでに1か月かかるとしたら私は持ちこたえられなかったでしょう。

その後私は10年ほど通院しました。

最初の受診はまた別の長い道のりの始まりだったようです。

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