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子供のためのオルセー美術館(57)アンリ・クロス/顔の見えない少女  《マティス自由なフォルム展家庭画報連載記事のご紹介》

てんてんでかれた


いったいなにをしているの? かおえないんだけれど…

ながかみかおまえで、とかしているところ。どう、きれい?自慢じまんかみなの」


くしがとおったところは、つやつやひかっていきます。
するとかみなみのようなだんだんになって、いろんないろえてきました。

アンリ・クロスは、どうやってこのいたのでしょう。
ちょっとちかづいててみましょう。


たくさんのちいさいてんてんがいっぱい!

くしをうで何色なにいろのてんてんでいたのでしょう。

かみは? むらさきみどり、ピンク…

うしろのかべも、やさしいいろのてんてんでいっぱい。

こうしてクロスは、茶色ちゃいろむらさきわさったような不思議ふしぎいろ世界せかい表現ひょうげんしました。

さあ今度こんどは、すこしはなれて。とおくからもてみましょう。
ロングヘアをふわっとげて いまにもかおえてきそうじゃない?


ほら、あそこのにも



Henri-Edmond Cross
La Chevelure Vers 1892
アンリ・エドモン・クロス
髪 1892

『髪』と題されたこの作品で、クロスは後に妻となるイルマ・クレア(ヘクター・フランス夫人)をモデルにした。
画家が意図した額装構図は、画家が敬愛した日本の版画を彷彿とさせる。
クロスはまた、ニュートラルな背景に主題がシンプルに浮かび上がっている構図や、色彩の茶色と薄紫色の調和で優れた技法を発揮している。
穏やかな雰囲気や装飾的な側面はピュヴィス・ド・シャヴァンヌを想起させる。

musée d’orsay 

Henri-Edmond Cross
L'Air du soir Vers 1893 
アンリ・エドモン・クロス
夕べの風 (今回は部分のみ)

1904年サントロベで、マティスはこの作品を見て『Luxury, Calm and Voluptuousness』の点描画のインスピレーションを得た。

musée d’orsay 


お読みいただきありがとうございました。
クロスは、本名をドラクロワといいますが、偉大な巨匠と区別するため1881年のサロンから名前をクロスにかえました。
そして以前にこちらで取り上げたサーカスを描いたジョルジュ・スーラが亡くなる直前の1891年、友人のポール・シニャックとともに新印象派の点描のスタイルになっていきます。マティス、シャバンヌとの交流はまた改めて。


オランジュリー美術館マティス企画展2023より

マティス自由なフォルム展 家庭画報連載記事のご紹介

マティス自由なフォルム展、フランス側のオーガナイズをした当地の親しい同窓友人の連載記事が、家庭画報web 版にて始まりました。
昨年のルーブル展連載に続き、美しい画像と共に、現地で直接取材交渉したならではの興味深いお話が楽しめます。全15話 是非ご覧ください。
(抽選で展覧会チケットが当たるお楽しみもあります。ふるってご応募ください)

オランジュリー美術館マティス企画展2023より


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