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悲しくて、悲しくて



日曜日の昼前
知らない番号から着信があった

見知らぬ声に戸惑いながら、話を聞いた後
頭が真っ白になり、絶句してしまった

そんな私に、相手は電話が切れたのかと思ったようで
「もしもし、聞こえますか?」と何度も呼びかけられる

混乱している様子を察して
相手は面識のある友人に代わってくれた

「Aちゃん、亡くなったんですよ」

「?」

「いや、ええっと。入院したところですよね?内視鏡手術するって」

「検査中に意識が無くなって、そのまま‥。」

「??え」

そして言葉を失った


亡くなる直前に、本人から電話が来ていた

絶対入院は嫌、という人で
救急搬送されても、その日のうちに帰って来てしまう
そんな彼女が、今回は繰り返す痛みに救急搬送され、
その2日後に、予定入院した

入院した日の午後の電話だったので
「ちゃんと治療して、早く帰って来てくださいね〜」と軽く伝え
「はーい、わかりました〜」と返事してくれていた

前日も自宅訪問して送り出したのに、不安になったのかな
入院するのはわかっているのに、どうしたのかな
いつもと違うな、と

あれが、最後の会話になった


10年以上、担当した

自分にも人にも厳しいから調整が大変で
障害も介護も併用して、1日に複数回の訪問で、ギリギリの在宅

担当して数年した頃、大喧嘩をして
「クビにしてもらって結構です」と言ったこともあった
ヘルパーが手配できず、施設利用を勧めたとき
「絶対に、行かへんで」と、頑として譲らなかった

今年の年末は、すでに手配を終えて
11月初めには予定表が出来上がり、二人で喜んだ

体調を崩すとショートステイに行かなあかんもんね、と
珍しく本人が言ったので
「それ、絶対無理でしょ。Aさん入院もその日に帰ってくるんだから
我慢できないですよ〜」と返すと
「ようわかってくれとるなあ!」と笑ったAさん

号泣するケアマネに、相手は戸惑い
「借りているベッドとかを、お返しせなあかんと思って」と言われて
我に帰った

手配は全てこちらが行うことを伝え、立ち会う人の連絡先を確認し
後日、お参りには行かせて欲しいと話して電話を切った

しばらく、一人で泣く

事業所へ連絡を入れて、

また、一人で泣いた


行き場のない悲しみで
しばらくずっと泣くだろう

信じられないし、受け入れられないけれど
あなたに出会って、たくさんの事を教えてもらった

ケアマネ辞めたいと思ったときも
あなただけは、最期まで担当しなきゃと思っていた
あまり年が離れていないから
80歳までケアマネしてよ、と言われてた

もう、80歳まで続けなくて良くなった

どうしてくれるん
話が違うやん

悲しくて、悲しいけど
心からのお礼を伝えたい

本当に、本当に、ありがとうございました

大好きだったよ
知ってると思うけどね





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