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使える母乳パット

通院も家事も、なんとか自分でできる高齢独居男性
福祉用具とデイサービス、安否確認を兼ねた配食を利用中

先日、転倒してストーブにぶつかり、火傷してしまった

患部は臀部なので、自分では見えない
滲出液で、ガーゼも張りつき、デイで大騒ぎしながら交換してもらう

治るまで、毎日デイへ行くか
訪問看護師さんにお願いするか相談し
折衷案で行くことになった

契約で訪問してくれた看護師さんは
「焼肉になるとこでしたわ」と笑う本人に
「痛かったでしょう」と苦笑しつつ
「これ使いましょうか」と個包装の小さなものを取り出した

母乳パット  ???

はるか昔、私も授乳中は使ったことはあったが
高齢男性一人暮らしの訪問看護で
ピンク色の個包装が出てきたときには、ちょっと驚いた

母乳パットは優れもので
患部の滲出液をきれいに吸い取り
張り付かずに保護できるという

しかもガーゼのように繊維が太くないし
何より値段が安いので
最近では褥瘡処置の時にも、かなりの頻度で使用していると聞いた

へえええーっ
私と利用者、2人で感心の声をあげる

「明日のデイサービスにも持っていきますわ」と本人が言うと
「テープは、これにしてね」と出されたのは
サージカルテープではなく、普通のビニールテープ

疑問符顔の私に
「このテープの方が、皮膚が赤くなりにくいのよ」と教わった

へえええええーっ

今まで、褥瘡や傷の処置には
ガーゼかキズパワーパットだと思っていたし
医療用以外の物は、なんとなく使ってはいけないと思い込んでいた

けれど、冷静に考えれば
在宅ケアでは、コストカットは大きな問題だし
機能的に問題がないのであれば、制限することはないのである

以前寝たきりの方のベッド洗髪で
防水シーツの代わりにペットシーツを用いた人がいて
なんて良い考えだろう、と感心したのを思い出した

ベテランヘルパーは、調理の時には、買い物を追加せずに
冷蔵庫の中の物だけで数品の調理を、あたりまえにしてくれていた

訪問看護師は、使える物を柔軟な発想で活用して処置している

こんなすごい人たちと、
同じチームで働けることは、本当に誇らしい

固定観念と思い込みで凝り固まった自分の頭に
ポコーン!と小さなボールをなげられたみたい

この人たちと、一緒で良かった
いつも新しいことを教えてもらえる大切な時間

プロとご一緒させてもらえるって
本当に、幸運なこと

さあ

教わろう





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