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6月、捕まったロシアスパイ

ロシアのスパイがICCに潜入しようとして捕まった


6月16日 アルジャジーラ:

オランダ オランダ当局は、ハーグに本拠を置く国際戦争犯罪裁判所に潜入するためにブラジル人インターンを装ったロシア軍のスパイを発見した

ウクライナでの戦争犯罪の調査をしている国際刑事裁判所(ICC)に侵入するために潜入していたロシア軍事エージェントを、オランダの諜報機関は発見した
セルゲイ・ウラジミロビッチ・チェルカソフは、4月にハーグに本拠を置くICCのインターンシップとしてオランダに入国するため、ブラジル国民としての数年分の精巧な偽装経歴を作成していた、と、同庁の代表は木曜日にロイター通信社に語った
「これは多くの時間、エネルギー、多額の費用をかけ長年にわたるGRUの作戦でした」と、オランダの諜報機関のチーフ、エリック・アケルブームは露軍事諜報機関(GRU)について説明する

これまで、プーチン政権は、モスクワに対する西側のネガティブキャンペーンだとして、スパイの摘発を頻繁に否定してきた
GRUの代表者からはコメントは得られなかった

Dutch General Intelligence and Security Service(AIVD)は、ViktorMullerFerreiraという偽名の男が空港で拘束されたと公表した
彼は望ましくない外国人とされ、次の飛行機でブラジルに戻り、そこで裁判にかけられると付け加えた
「ロシア人がICC内の情報に不正アクセスしようとしていることが分かり、我々はこれをハイレベルの脅威と分類していた」
そのうえで、ICCは彼をインターンシップを受け入れた、とアケルブームは付け加えた

ICC広報担当のソニア・ロブラは、オランダ当局の作戦とセキュリティ・リスクの情報共有に感謝しているという
「ICCはこのような脅威を非常に重く受け止めており、今後もオランダと協力し合っていく」

この件に関して、ブラジル当局からのコメントは直ちに得られなかった

「よく練られた偽装工作でした」

オランダの機関は、ロシア諜報機関の働きと他の国際機関への脅威を共有するために、この事件に関する詳細な情報を公開するという異例の措置を取ったという
詳細情報に関する文書には、チェルカソフが作り上げた偽装工作の概要が4ページにわたって書かれていた
問題を抱えた家族の歴史、EDMを好みや行きつけのクラブについての詳細、ブラジルのお気に入りのレストランで安いブラウン豆のシチューを食べていたことなどの情報だ
「チェルカソフは、ロシアとの関係、特にGRUとの関係をすべて隠すために、うまく作られた偽装身分を使った」と述べられている

123カ国が加盟する恒久的な世界戦争犯罪法廷であるICCは、2月24日にプーチンが軍隊を送りこんだその数日後にウクライナでの調査を開始し、戦争犯罪、人道に対する罪、大量虐殺の疑惑を捜査している
近年、オランダはスパイ行為で告発された20人以上のロシア人を追放している
その中には、2018年に化学兵器禁止機関(OPCW)をハッキングしたとして訴えられた4人、2020年に企業、ハイテク分野でスパイ行為を行ったとして訴えられた2人、そして今年、ウクライナ侵攻後に工作員の容疑がかけられ、追放された外交官17人が含まれている

ロシアはすべての容疑を否認し、この追放に対応して、モスクワとサンクトペテルブルクのオランダ大使館・領事館員15人を追放した
(終わり)

露メディア反論記事:

ザハロワは、オランダのGRUエージェントの拘束を「ゴミ情報」と呼んだ

露外務省のザハロワ報道官は、オランダ当局がGRUの幹部とみているブラジル人をオランダで拘束したという情報を「ゴミ情報 ≪информационным вбросом≫」だという
以下、露外務省のプレスリリースから発言を引用する
ロシア外務省の広報担当者ザハロワは、事件は4月上旬に起こったが、オランダ当局の報告は遅かったと指摘する
「どうやら、オランダ側には『それなりの』理由があったようだ」とザハロワは言う
オランダ当局は、一般的な外交慣行に従って行うべき正式な通知をロシアに送らなかったという
このロシア外交官は、オランダのGeneral Intelligence and Security Serviceによって発行される出版物から、その「失敗したスパイ」に関する情報を探すしかなかったと言っている
「明らかに、この情報操作は、さらなるロシアの関与するスパイ・スキャンダルを想像させており、そうして、ロシアによる『陰湿な策略』を連想させてオランダ国民を怖がらせることが目的だ」と述べ、このようなことをした理由は、「ロシア軍人がウクライナ領内で犯したとされる犯罪の調査」に注目を集めるための「正しい」世論誘導をすることであると強調した
オランダ当局の「スパイマニア」による「メディアへの怪情報の典型的『リーク』」はロシアとの二国間関係を損ねているとモスクワは何度も指摘している、と付け加えた

前日、オランダ諜報機関はハーグのICCに就職しようとしたロシアのスパイ事件を公表した
Sergey Vladimirovich Cherkasovという男性が、4月にICCにインターンシップのためにブラジル市民としてオランダに入国しようとしたもの

オランダメディア 6月16日:

オランダ、国際刑事裁判所勤務を希望するロシア人スパイを拘束

「ロシアの挫折」

オランダ諜報機関AIVDは、ハーグICCへの露のスパイ潜入を阻止したことを公表した
ICCは現在、ロシアがウクライナで犯したとされる一連の戦争犯罪を調査している
ハーグのクリンゲンダール研究所の情報専門家、ケネス・ラソエン氏によれば、これはロシアには大きな挫折だという

セルゲイ・ウラジミロビッチ・チェルカソフという人物が、4月にブラジル国籍でオランダ入国を試みた
彼はハーグのICCでインターンとして働きたいと考えており、ICCも彼を受け入れていた
他の諜報機関からのAIVDへの情報提供のおかげで、空港でこのスパイを阻止することができた
彼はその後すぐにブラジル行きの飛行機に乗せられ、ブラジルで裁判所に出頭することになった

数年にわたる活動

この男の偽の身分は何年も前にさかのぼる
「これはGRUによる数年を費やした作戦で、多くの時間、エネルギー、そして資金が費やされている」とAIVDのエリック・アッカーブーム部長は英通信社ロイターに対し語っている
ハーグのクリンゲンダール研究所の情報専門家ケネス・ラソエン氏によれば、ロシアのスパイは身分偽装に非常に長けているという
ラソエンはラジオ1の 「ザ・モーニング」で、
「この話は完璧に仕組まれていました
この男はブラジル国籍を取得しており、ダブリンのトリニティ・カレッジと米国のジョンズ・ホプキンス大学に留学していた
それで、ICCのインターンに応募することができたのです」

最高レベルの脅威

「AIVDは、この事件を最高レベルの脅威と分類しています
もしこの男が仕事を与えられていたなら、そこで情報収集し、情報源をつくり、募集し、デジタルシステムにアクセスすることができたかもしれません」

また、ICC内の刑事事件に影響を与える可能性もあった
「ICCは現在、ウクライナにおける一連の戦争犯罪を捜査しているが、2008年の戦争や、ジョージアにおけるロシアの戦争犯罪についても捜査が進行中だ」とラソエン氏は述べた

他の機関への警告

AIVDは、他の国際機関に警告するために、この露情報機関に関する事件の公表を選択したという
スパイ容疑をかけられたロシア人がオランダで拘束されたのは、今回が初めてではない
近年、これまでに20人以上のロシア人スパイ容疑者が国外に追放されている
ロシアはこれら全ての関与を否定している

ラソエン氏によれば、今回の事件は、偽の身分を作ることがますます難しくなっていることを示しているという
「これは間違いなくロシアにとって挫折です
ロシア人はこのような行為に非常に優秀だが、顔認識など今日の技術的能力により、ますます難しくなっています
その人が本当は誰なのか、ネット上で素早く痕跡を見つけることができるようになったのです
今回、ロシアの制服を着たこの男の写真を見つけたように」

この男は今後、ブラジルの裁判所に出頭しなければならない
「処罰されるか、ロシアに拘束されている欧米の諜報員と交換されるのか、どちらかでしょう」とラソエン氏は締めくくった
 注:リンク先にケネス・ラソエン氏のインタビュー音声リンクがあります
(終わり)

参考:

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