犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉
「こんな方にオススメ」
・子育てに不安を抱えている人
・子どもを健やかに育てたい人
・犯罪心理学に興味がある人
①「みんなと仲良く」が個性を破壊する
「みんなと仲良く」は、言ってみれば「きれいごと」です。
周囲の人みんなと本当に仲良くできる人が一体どれほどいるでしょう?
合わない人に合わせる必要はないし、仲良くする必要もないのです。
これは、「差別をしてはいけない」とは別の話です。
※差別とは、その人の属性によって不当に低く扱うことです。
「みんなと仲良く」のようなきれいごとを押し付けると、必ず問題が出てきます。
子供は「みんなと仲良くできない自分はダメだ」と思ってしまいます。
親としては、合わない子との付き合い方として、ほどよい距離感を保つ方法を教えましょう。
②役割で育てない
「お姉ちゃんだから、優しくしなさい」役割を押し付ける言葉は、個性を潰しかねません。
役割を期待する声かけは、期待に応えようとして頑張る「いい子」ほど、苦しむことになります。
自分自身を抑え、役割を演じようとすればどこかに無理が生じるものです。
本人の性質、個性に基づく期待ならいいです。
「みんなの話を聞いてまとめるのが上手だから、リーダーとして頑張って欲しい」といった期待は、個性を伸ばすことに繋がるでしょう。
③「頑張りなさい」が意欲を破壊する
「頑張って」という言葉は、「意欲を持て」という意味で使われることがあります。
親が子供に意欲、やる気を出させたい場合、「頑張って」という声かけは、意味がありません。
なぜなら、「意欲=やる気」は自分の内側から出てくるもので、他者が植えつけることはできません。
ただ、意欲を促すことはできます。
心理学ではこれを「動機づけ」といいます。
具体的に、結果ではなく、プロセスを褒めます。
これであれば、たとえ結果がよくなかったとしてもプロセスは褒めることができるので意欲は高まります。
「頑張って」ではなく、「頑張ってるね」「よく頑張ったね」と認めることが応援になり、意欲を伸ばすことになるのです。
④子供が失敗したときの対応
意欲を持って目標に向けて頑張っても、達成できるとは限りません。
すると、落ち込み、やる気が出なくなることはあると思います。
これらは、普通の反応です。
ただ、本当に心が折れてしまって、いつまでも回復できないのであれば困ったことになります。
「レジリエンス」が高ければ、多少落ち込むことがあっても早く回復し、「また頑張ろう」と思うことができます。
レジリエンスを育むには、失敗して落ち込み、そこから回復するのを繰り返すことが大事です。
要は、色々なことにチャレンジさせることです。
親として子供を信じて見守るというのは、忍耐がいることです。
しかし、失敗や困難を経験し乗り越えてこそ、レジリエンスが高まっていきます。
見守る時に大事なのは、子供が落ち込んだときに親も一緒になって落ち込まないことです。
落ち込んでいる子に対しては「その失敗があったからこそ、上手くいく方法がわかったね」「次はきっと良くなるよ」と言ってあげることです。
⑤道徳性と共感性
道徳性と共感性には密接な関係があります。
道徳性とは社会のルールです。
たとえば「ちゃんと並んで順番を守りなさい」といルール。
次に共感性に基づく判断ができることが重要です。
「私が順番を守らないと、ちゃんと並んでいる人はどういう気持ちになるだろうか」と考えることができ、自分より良い選択ができるということです。
ルールを教えることは前提として大事ですが、それだけではもろいのです。
「順番を守らなければいけない」「人のものを盗ってはいけない」などということは当然わかっています。
それでもやってしまうことは、道徳的判断をする能力が低いということであり、共感性の低さと関係があるのです。
『まとめ』
親が子供に対して真剣に向き合えば、子供は自分に真剣に向き合ってくれていると感じる。
逆に、上手くいかないことがあっても、愛情を持って真剣に向き合えば何とかなる。
最後までお読みいただきありがとうございました。 サポートも嬉しいですが「スキ」ボタンもとても励みになります!