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「星新一、再び?」

洛田二十日(らくたはつか)著『ずっと喪』読了。新進気鋭のショートショート作家が贈る荒唐無稽、前代未聞のショートショート集!

『アメトーーク!』の「読書芸人」でお笑いコンビAマッソ・加納愛子が紹介していたため何となく気になっていたのだが、ようやく購入。久しぶりのショートショート集に酔いしれることができた。

表題作の「ずっと喪」はもちろんのこと、過疎化が進む村に桜前線をとどめようと悪戦苦闘する「円い春」、母がいない義理の息子のために義母を作り出す義父の苦悩を描く「義師」など、斬新すぎる発想のショートショートが洪水のように浴びせられ、読んだ後も高揚感がとまらなかった。

中でも、「桂子ちゃん」が面白い。毎月の儀式である日突然、「桂馬」になってしまった桂子ちゃん。きわどいメタファーのような、ブラックユーモアのようなセリフ・描写のひとつひとつによって奇妙な世界にリアリティが与えられ、脳がほどよく揺さぶられる感覚が心地良い。

全体的に軽妙なテイストだと思っていたが、作者がもともとお笑い系の出身だと知って妙に納得。星新一ほどの重みはないかもしれないが、軽く読めるショートショートとしてはちょうどいい。

巻末のAマッソ・加納との対談も必読である。

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