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廃園【幻想&ホラー小説】【短編】

7
全7話。学生時代の三角関係を軸に広がる、不穏な物語。始まりだけは美しい。
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記事一覧

廃園 1(全7話)

 白薔薇の君、と彼はその人を呼んでいた。  私はそんな呼び方はしない。  だってあんまり気…

みぜ
1年前
5

廃園 2(全7話)

 私は親友を捨てられず、また彼も私を捨てなかった。私は彼と白薔薇の君との仲を取り持った功…

みぜ
1年前
2

廃園 3(全7話)

 女が死んでから、彼の荒廃はよりいっそう進んでいった。  急坂を転がり落ちるように、と人…

みぜ
1年前
2

廃園 4(全7話)

「……彼女と寝たよ」  夢の中だけで、私は彼に本音を零す。  彼は、前夜の葬式で弔われたと…

みぜ
1年前
3

廃園 5(全7話)

 死の一報は、翌朝、もたらされた。  いつもと同じ時刻に、いつもと同じ目覚ましで目を覚ま…

みぜ
1年前
2

廃園 6(全7話)

「樋越さん、少しおかしくないですか」  隣席の同僚が話している。私に話しかけているのだろ…

みぜ
1年前
4

廃園 7(最終話)

 夢が覚めると、朝になっていた。  時計を捨ててしまったので何時だか分からない。とりあえず出社の準備をして、今日が日曜日だということに気が付いた。  腑抜けたまま、食卓の椅子に座っている。  眼前には冷めたコーヒー……いくら待とうとも、彼は現れなかった。  化け物が正体を知られると滅されてしまうというのと、理論は同じだろうか。正体を看破され、訪れるものはいない。  玄関のベルが鳴った。  何もかも面倒で、放っておく。  もう一度鳴る。もう一度、もう一度……あまりにしつこいので