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読書メモ:証言 大谷翔平 大リーグを変える「天才二刀流」の素顔

基本情報

『証言 大谷翔平 大リーグを変える 「天才二刀流」の素顔』
野村克也+張本勲+黒木知宏+大野奨太+渡部健ほか 著
2018年7月11日 発行

改めての説明が不要であろう「大谷翔平」に関して、球界OBや日ハムOB、花巻東のチームメイト等16名のコメントを証言という形でまとめた本書。2018年発行で、エンジェルスに移籍し1年目時点のため、小学校、中学、高校、日ハム時代をメインとなっている。

構成

第1章 レジェンドOBたちが語る天才の可能性
    張本勲
    野村克也
    江本孟紀
第2章 日本ハムを日本一を導いた天才の覚醒
    白井一幸
    黒木知宏
    大野奨太
第3章 花巻東チームメイトが語る天才の素顔
    大澤永貴
    佐々木大樹
第4章 ライバルたちが語る至近距離の真実
    西谷浩一
    関口清治
    丹野啓介、笹川二次郎
    水谷哲也
第5章 ジャーナリストたちが見た天才の衝撃
    斎藤庸裕
    安部昌彦
第6章 日本一のファンが語る天才の奇跡
    渡部健

感想

私はあまり甲子園を見ないので、「大谷翔平」を認識したのは日本ハムに入団する時からである。当初は、メジャーを希望し、プロ野球各球団に指名しないで欲しい通達したものの、日ハムがドラフト1位で強硬指名して、世間を騒がした頃である。
当時は、日ハムに批判的な意見が多かったように思うが、日ハムが説得に成功し、無事入団にこぎつけたが、次は「二刀流」に挑戦することに関して、賛否がわかれた。
特にプロ野球OBの多くは、二刀流に反対だった。本書に出てくるレジェンドOB3名(張本さん、野村さん、江本さん)も反対で、どちらかに絞るべきと主張していた。

レジェンドOBの証言に関しては、この3名以外のメジャー経験者の証言も聞いてみたかった。例えば、野茂さん、イチローさん等。メジャー経験者でこそわかるそのすごさがまたあるため。

私が覚えているのは、落合博満さんだけは、「本人がやりたいと言っているうちはやらせた方がいい。どっちかに絞ったら、両方ともダメになるよ」と仰っていて、数少ない二刀流賛成派であることだった。
(私が落合好きということもあるが、落合さんらしい考え方だなと思い印象に残っている)

本書において、第3章、4章に中学、高校時代に関して多くの証言がまとめられており、当時から体つきだけでなく野球センスもずば抜けていたことがわかる。
但し、成長期で休む時期があったり、甲子園では、大阪桐蔭に研究され、甲子園では1回戦負けを喫するなど必ずしも順風満帆だったわけではなかった。
(甲子園に出場するだけでもそもそもとてもすごいことだが)

大谷翔平本人のとんでもない努力に加えて、やはり「人にも恵まれている」ことを各関係者が語っている。シニアの監督だった父親からの指導だけでなく、花巻東高校、そして、昨年WBCで散々言われたが、日本ハム・栗山監督との出会いは大きかったと思う。

日頃の行動から意識しており、「運」も引きつきられる星のもとに生まれているのだと思うが、2018年まででも「主人公」のような人生を歩んでいることがわかる一冊であった。


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