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はじめて心療内科に行った日

まず初診予約を取るのに苦労した。

目星をつけておいた、高レビューの開業二十年ほどの心療内科は予約患者のみ。HPを見ると予約受付は完了していた。予約開始は1ヶ月後。診察してもらえるのはさらにその先になる。

また別の心療内科を検索する。
内科、心療内科、精神科、小児内科、の診療を掲げている。予約制ではない。
午後の診察時間の10分前につき、車で待機した。ぞろぞろと患者と思しき高齢者や学生が入り口に並び、私も慌てて6番目くらいに並んだ。15時の開始とともに受付へ流れ出す。
「初めてなんですが」
「何科をご希望ですか?」
「心療内科です」
「心療内科ですと今日の初診受付は定員になり終了しました。初診の方はお時間をいただく関係で、午前午後お一人づつの枠しか取れませんので。来た順番での診察となります。申し訳ありません」
私の前に、初診で並んでいた患者がいたようだ。
15:05だった。早い者勝ち。日替わりバーゲンセールに並ぶように、心療内科の入り口前で並ばなければならなかった。出遅れた。

意気消沈し、照りつける太陽にもじりじりと攻撃されている気になった。
死ねってことかよ。

だけど死なない。生きたいからクリニックにすがってみようとなんとか気力を振り絞ってここまできたのだ。

自宅から半径10キロ以内にある最後のクリニックのHPを確認する。
もしここがダメなら、離れた他区まで足を運ばなければならなくなる。できれば近くが良いが。

電話にて初診予約受付とあり、さっそくかけてみる。
電話の向こうの声は優しかった。
予約は2週間後の16時、次の月曜なら15:30木曜なら10時と…
ポツポツと空きがあるだけで、直近の枠と私の予定が合わなかったが月曜の枠に入ることができた。
それでも予約電話をかけた時点から18日後。

これほどまでに心療内科の初診のハードルが高いとは思っていなかった。

18日もあれば、一番症状が重かったときのピークは何とか脱出した。
自分の残されたわずかなエネルギーと、
少ない友人との絡み、
病んでいられない就労環境、
原因を作った夫を見限ることで、
何とか息も絶え絶え状態で18日後を迎えた。

開業間もない新しいクリニックだった。
待合室は大きなガラスで開放的で明るい。だが外からは目隠しの垣根が設置され患者への配慮がある。

ほどなく診察室に呼ばれて、
ドクターと向かい合った。
いきなり先生と喋るのか…
勝手なイメージだけど、心理士とか、カウンセリングの係の人とかいるかと思った。

先生は問診票を見ながら、冷静に必要な情報を聞き取る。
こんなときはどんな症状か、どうしたらそうなるか、いつからか、きっかけは、など事細かに。

話しながらあれもこれも感情に任せて文句や愚痴をこぼしたくなるが、
医師の毅然とした態度に、私も自分自身を落ち着かせる。

先生は病名、薬についての説明、予測を順序立てて説明する。
服薬2週間後の評価のため、次の予約をその場で決めた。
それで終わり。

滞在中、まだ若そうな20代から40代くらいの患者が多かった。

こんなものか…
という印象で人生初の心療内科の敷居をまたいだ日だった。
イメージ先行で、暗いところ、と思い込んでいたが、意外に他科のクリニックと変わらず、
心の疾患も一般化していると感じた。
(それがいいのか悪いのか)

ちなみに病名は、
社交不安症ではあるが、他の広域の不安症の分類であり、これだと断言はできない。
とのこと。


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