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母親になったばかりの私に贈りたい1冊【世界で一番大切なあなたへ】 ワタナベ薫著

「妊娠中に出会っていたら、
もっと心穏やかな気持ちで
育児ができたかもしれない」

特にそろそろ5歳になる長男に対して
申し訳なさを感じます。


・焦っていた過去

もともと頭でっかちな私。
妊娠中は子育て本をたくさん読んできました。
「うまく行くように先取りしなきゃ」
とにかく焦っていました。

「もっといい成績が取れれば、国立大学に行って、費用の面で親の負担を軽くできたかも」
「何かの才能があったら、人生もっと違うものになっていたかもしれない」

私自身そんな気持ちでいました。
人生で何一つ結果も出せないまま、
30歳過ぎてしまったことへの焦りを感じました。

せめて生まれてくる子どもは、
「もっと能力を発揮できる人生を送ってほしい」と考えてました。
子育てに「正解」を求めていました。

なぜか色々悩んでる他のお母さんに対して
「なんでこうしないのか」と
冷たい目線で見ていました。
今考えたら、どれだけ上から目線なんだろうと
恥ずかしい思いです。

・頑張ってもどうにもならないことがある

長男1歳半検診の時に
「言葉が出ませんね」の一言で
何かが崩れました。

「成長が遅れてるのは母親の接し方が悪いんだ」
ここまで直接言う人はいませんでした。
しかし、アドバイスをもらえばもらうほど
「あなたの接し方が悪いから、未だに言葉が出てこないんでしょ?」と責められてる気分でした。

2歳半になっても言葉が出ませんでした。
その2歳8ヶ月で受診して、
「自閉症スペクトラム」と診断。

「親の育て方が悪いとか、環境が悪いとか
そういうことではありません」
「あなたができることは、長男くんにとって過ごしやすい環境を作ることです」

記憶はおぼろげですが、
こんなことを言われたのは覚えてます。

「どうしたら勉強のできる子になるか」
「スポーツなどで能力を発揮できるようになるか」
それまではこんなことばかり考えていました。
何かしらの分野で活躍してる人が
ずっと羨ましかったです。

子どもたちに対して、
「何も結果が出ないまま年を取った」と思ってもらいたくないと思ってました。

・今から母親になる人たちへ

「そんなのあり得ない!」とよその家の人のことを批判したくなったりするかもしれません。
SNSを見ては「キラキラして羨ましい」と思うかもしれません。

そんな時に思い出してほしい言葉が2つあります。

当時、出会っていたら、無用なストレスを感じずに済んだかもしれないと思いました。

誰かを批判したくなる心理には、
自分を守りたいという気持ちが隠されている。
自分を肯定したい事の裏返し。

もしそういう気持ちに駆られたら
「自分をもっと大切にして」という
内側から発せられるSOS だと思って。

世界で一番大切なあなたへ p69

時々、SNS上で他所の家の子育てに関して
「そんなのありえないから!」とものすごい剣幕で批判してくる人がいます。
エスカレートすると、誹謗中傷に発展。
最悪、開示請求をされ、賠償金を支払うことになるケースを見てきました。

私は直接表に出すことはなかったけど、
「自分を肯定したかったんだなぁ」と
改めて気づきました。

他人の SNS のきらびやかな写真を見て、
一喜一憂するのはやめよう。

全部ウソとは言わないけれど、
きれいできらびやかに見える写真ほど、
虚構の世界だから。

世界で一番大切なあなたへ p76

きらびやかな写真を見て
「充実してて羨ましい。それに比べてうちは」と
卑下する必要はありません。

そもそもSNSに投稿するのは
余裕がないとできません。
「SNS投稿ができるほど余裕がある」と
みなしていいと思います。

・感想

写真は素敵な男性のモデルさん。
ロシア人のロディーさんと言う方です。
この本が出るまで彼の存在を知りませんでした。
カッコイイというより「絵になるなぁ」って感じ。

「この本を誰にプレゼントするか」と聞かれたら、
妊娠中、または赤ちゃんが生まれた友達です。
なぜなら、長男が生まれた頃に出会いたかったなぁと思ったからです。

自治体に対して、
「母子手帳の交付を受けるときに配ればいいのに」
そう思いました。さすがに難しいかな。

以上、ちえでした。
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