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タイトルからは想像できないアメリカ文学【荒廃地域】スチュアート・ダイベック著 柴田元幸訳

「一体どんな話だろうか」と気になりました。
人がいなくなって植物手入れもされていなく、
置き去りにされたイメージです。

以下のような書き出しで始まります。

朝鮮戦争とベトナム戦争のあいだの、ロックンロールが完成に近づいていたころに、僕らの街が「公認荒廃地域」に指定された。

「公認荒廃地域って何?」と
思わず込みそうになりました。

メロディアスライブラリー2023.2.26放送。

ただ、こちらはアメリカの小説です。
日本では、どんな定義がされているのか気になったので調べてみました。

大規模な崩壊地を含み、下流域に土砂を流出をもたらす恐れのある地域を「荒廃地域」といいます。

中部の崩壊地より

荒れているというイメージはそのままでした。


・個性的な友人

目を引いたのは主人公の友人が個性的なことです。

・ジギー:天使や死者絶えず連絡してると主張する。

・ペパー:ポーランド人とメキシコ人の両親から生まれる。好きな女の子にお花をプレゼントしようと咲いてたチューリップを掘り出して渡そうとしたら激怒された。

・ディージョ:詩人。虫の言語を理解できる。

聞いただけで
個性的がなのが伝わってくると思います。

・「諸行無常」が思い浮かぶ。

アメリカの小説なのに
なぜかこの言葉が思い浮かびました。

祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。

平家物語

かつて4人仲良く遊んでいたものの
1人、2人、とこの街を去りました。
人間関係も移ろうものだなあと感じました。

しかし、舞台はシカゴ。
ほとんどの国民がキリスト教信者です。
平家物語の冒頭の言葉は、仏教を象徴してます。
不思議な感じがしました。

・感想

以前読んだウィリアム・フォークナーの本といい、
アメリカの文学作品に苦手意識があります。

高校生の時、アメリカの歴史を学んだので
多少は歴史背景はわかるはず。
なのに、なぜか雲をつかむような感覚がします。
アメリカが舞台だったスタッフロールは
そこまで感じませんでした。時代背景ゆえ?

ラジオの小川洋子さんの放送でやっと
「こういう見方があるんだ」とわかるくらいです。
メロディアスライブラリーがなければ
読むことはなかっただろうなぁと思います。

この回の放送で、番組終了が知らされ、
「嘘でしょ!?」と思わず声に出ました。

バックナンバーを調べたら、
まだまだ知らない作品がありそうなので、
これからもこちらで読書会します。

以上、ちえでした。
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