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未熟な大人/子供の暴力⑨

〜次々と出される警報〜


前回はこちら


つづき

家にかえってから
私はケンタに何も言わなかった

卒業式も近く6年生は引退となる

なんとなく普段の生活で
友達と仲良くすること
嫌でも嫌と言えないことがあるとか
そんなことをテレビの話題に合わせて
強調するようにしていた
とりあえずそれ以降は目立った
意地悪はしていないようだった


そして卒業式を迎えた

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数日後に担任だった先生から電話が来た

なんだろう?


またケンタがなんかしたのかな
でも卒業したのにと思いながら
電話に出た

適当な挨拶を済ませた後
先生は続けた
「実はケンタくんのことで 
 卒業したけども気になることがあって」


この人は部活でも顧問をしている
男の先生だ

どうやら自分は目にしないが
ケンタの部活での態度や
友達への脅迫のようなものは
他の子から聞いていたそうで
気になっていたとのこと

私が知らないと思ってたのと
中学生になったら
どんどん難しい年頃になるし
問題が深刻になる可能性もあるから
気をつけてあげて欲しい

そう伝えられた


卒業したのに
気にして電話してくるとか
よっぽどなんだろうなと思った
お礼を言いその日は終わった

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春休みを終えて
中学の入学式となった
私は1人会場へ向かった

何年何組に自分の子がいるか
玄関に張り出されてるので
何人かのお母さんが
必死に我が子をリストから探していた

私はすぐにみつけた
(一年一組だな….)
そう確認して中に入ろうとしたら
ザ肝っ玉母ちゃんという感じの人が
2人のお母さんを連れてリストを見ていた

「ねぇ!ケンタって何組!?
 ほらバスケ部のさあ!」
と大きな声で話し始めた

「ケンタ」は学年に1人しかいない

一生懸命探すのをしばらく見てから
後ろにいた私は答えた
「一組ですよ」

振り返ったお母さんたち

私はその三人を知らない
向こうも多分私を知らない
察したのか何も言わずすぐに立ち去った   

腹が立ったが
多分バスケ部のお母さんか
ケンタのやんちゃぶりを知ったお母さんなのか


なんだか悲しくなった
そしてケンタが逆にいじめられないのか
不安だった
中学生となると心理的ないじめも多い

自分の子があんなことしておいて
変かもしれないが
そっちの方に不安があった


つづく

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