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つまらない絵を描くな

母校が創立150周年記念冊子を刊行し、
流れで、3,000円出して買った。
同学年の友人(有識者)が編集委員に名を連ねていたのもある。
『ちづさん(仮名)、面白いのにするよう意見出してつくったの、買って‼️』

友人がそう言ったとはいえ、やっぱり本棚の肥やしになってしまうかな、
うっかり買っちゃったかな、と思いつつ、
夜、ページを開いてみた。

そもそも、150年間を全て書くことは、当然できない。
じゃあ、どうやって?

最初に、創立に携わった女傑達(母校は女子校)のストーリーが描かれる(分量はだいぶスリム化したようだ)。

その後、年表方式で、さまざまな行事やその改変、カリキュラム、生徒や先生の言葉(形式が短歌のこともある)、部や委員会の組織図などが、要所要所を拾って辿られる。
中1の時、今は亡き院長先生が、サンタの扮装でお菓子をくれた(クリスマス恒例)写真と、
合唱大会で、あるクラスが揃えたアメリカ国旗柄の手製スカートの写真。
この2枚は私の学年のものだった。目を凝らしたが、小さくて顔までは分からない。私はあの衣装は着ていないが素敵だったからよく憶えていた。

メイン執筆者である恩師に、今度サインしてもらおうと思っている。

本の後半は、講演録や説教集。
母校はミッションスクールである。

日野原重明医師のお話は素晴らしかった。ナマで聴きたかったな。

別のある方の講演のタイトルが目に留まった。
『つまらない絵を描くな』
反射的に、カチンときた。

つまらないって誰が決めるの?
人と同じじゃいけないの?

思い切って大胆に、新しいことをやれ、という内容だったと思う。

我らが母校の今回の記念誌は、私からすると、面白い。
だけど世の中には、つまらない物語も必要な気がするし、
大半をつまらなさで埋め尽くしたキャンバスを抱いて、死んでいく人だっていると思う。

『つまらない絵を描くな』の話をした講演者の先生は、3章に分けて話をしており、もう1回通して読めば、真意が分かるかもしれない。
つまらない挑戦なんてないと言っているのかもしれない。

物事を決めつけがちな私の性質は、あの頃から変わっていない。

自分がつまらない書き手になったことで、『つまらない』というワードに敏感になったのだ。きっと。

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