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恋を始めてみました。

あれは、やっぱり恋だったみたい。

あれから彼は同棲していた彼女と突然別れて、

私のことが好きだと言って、

毎日ずっと何通もLINEをして、
毎週私と会っているけど
それでも足りないみたいだ。


私は彼と初めて会った時どんな気持ちになったのかを思い出してみる。


人懐っこそうな子だな。

なんの仕事してるんだろう。

声と話し方が好きだな。

私が今まで会っていた子達とはタイプが違うカッコよさ。

妙に魅力的に見えるのはなんでだろう?


また会いたいな。

もっと一緒にいたいな。

確かにそう思った。

それ以降、彼に会えるのをどこかで楽しみにしてる自分がいた。


今思うと、初めて会った時から気になっていたのかな?


彼とは色んなことのタイミングが合った。

私が悲しくて泣き腫らした次の日、
寂しくて誰かに抱かれたいと思った日、
会いたい時にはそんな風に何も伝えなくても
会いにきてくれた。

そして

「おいで」

と言って抱きしめてくれた。


今だってそう。


彼から溢れてくる私への気持ちはきっと嘘がなくて
今の私はとても幸せだと思う。

でも、同時にすごく怖い。


甘くて、優しくて、温かくて、安心する。

待ち合わせするといつも先に待っていてくれて、

私と目が合った時の彼は

背が高くてかっこいいのに

飼い主を見つけた犬みたいな顔をして立っている。

それを見てとても愛おしいと思ってしまう私がいる。


こんな私を

「大切にしたい」

そう言ってくれる彼の言葉に

応えたいと思ってしまう私がいる。



「一緒にいると胸が苦しい。俺のものにならないってわかってるのに、こんなに好きになると思わなかった」

そう言って泣く彼を思い出すだけで

私も切なくて愛しくて泣いてしまう。

一度口にして、自分の言った言葉に戸惑って頭を抱えた彼は

改めて

「後悔しないし、後悔させないから俺と付き合って」

今度は迷いなく私にそう言った。


嬉しかった。

だってずっと、大きな身体で子犬みたいな顔をしながら、私のことを好きだという彼の事を考えている。

私も同じように彼の事を想っている。


だから、まだとても怖いけど

私、恋を始めてみようと思います。


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