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#53 X脚でお悩みの方へ

最近では、男性の方にも見られるようになってきましたが
女性の方に比較的多く見られるアライメント(配列)異常として
X脚があります。

X脚とは両脚を揃えて立ったときに、
内側のくるぶし同士はくっつかないにもかかわらず
膝の内側がぶつかってしまう状態(ニーイン・トゥアウト)
のことをいいます。

太ももや両膝の内側はくっつくのですが、
両足の内くるぶしをくっつけることができないため、
前から見た場合、内股に見えるのが特徴となります。

下肢のアライメント(配列)をみていく上で
FTAという見方がございます。

FTAとは
大腿骨中央を通る線と脛骨中央を通る線の外側に作られる角度をいい
日本人の場合、正常のFTAは176°といわれております。

よって、元々の身体は生理的外反となっております。
一般的に176°よりも小さい場合はX脚と判断されます。

X脚かどうかのチェックポイントとしましては
脛骨内果(内くるぶし)の間の距離を測っていきます。
姿勢は両膝をつけた状態で立位になります。
この状態で、左右の内くるぶしの間の距離が
2横指以上離れている場合は
X脚と判断することができます。

X脚の原因・要因には下記のものが挙げられます。
①骨盤・股関節・膝関節の歪み、ねじれ
②大殿筋の筋力低下、機能低下
③内転筋群の過緊張
④内側縦アーチの低下(偏平足)
⑤生活習慣(座り方・歩き方)

①骨盤・股関節・膝関節の歪み、ねじれ

骨盤が前に傾いてしまうと、
股関節が内旋(内側に回転すること)することになり、
それに連動する形で膝が内を向くようになってしまいます。

骨盤前傾によってももの外側にあります大腿筋膜張筋が短縮することで
大殿筋が伸びきった形となり
筋力低下またはタイトネスに繋がってしまいます。

②大殿筋の筋力低下、機能低下

座る時間が増えてきますと
股関節前面の腸腰筋が硬くなってしまい骨盤前傾になりやすく、
その結果大殿筋が伸びやすくなり筋力低下してしまいます。

大殿筋は大腿骨を外旋させるため筋力低下により
大腿骨を外旋できなくなり、内旋しやすくなります。

③内転筋群の過緊張

内転筋群の緊張が強くなりますと
大腿骨が内側に引っ張られやすくなります。

股関節の内向きの状態が長く続けば続くだけ、
内転筋群の緊張がより高まってしまい
X脚を助長してしまいます。

④内側縦アーチの低下(偏平足)

内側縦アーチの低下により重心が内側になりやすく、
下腿が内旋してしまい、
膝も内側に入りやすくなってしまいます。

内側縦アーチを支える筋肉は、後脛骨筋となります。

⑤生活習慣(座り方・歩き方)

小さい頃の女の子に多い
女の子座りや横座りと呼ばれる膝を内側に入れ、
かかとが外側に向けた座り方は
X脚の原因となる場合があります。

内股で歩くクセも原因となり、歩く際に横にぶれやすくなってしまいます。

ここで挙げさせていただいた原因・要因は
ひとつの原因から複数が複雑に絡み合うことで
X脚となっていきます。

X脚は前十字靭帯損傷やその他膝にまつわる
ケガや障害になりやすくなってしまったり、
腰痛などを引き起こすこともございます。

女性の方ですと、立ち姿にも影響してくることもありますので、
ご自身の状態を一度確かめてみられることをオススメします。