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韓国伝統茶#08.たんぽぽ茶~冷え性の性質を知るのに役立つらしい~

 もう数か月も前のことになりますが、今まで飲んだことのないお茶を飲みたいと思いスーパーで物色していると、たんぽぽ茶(민들레차)なるものを見つけました。

민들레(ミンドゥㇽレ):たんぽぽ
차(チャ):

 それまで特に意識したことがなかったのですが、たんぽぽもお茶になるのかという新たな発見です。折角なので購入して飲んでみることにしました。

 こちらは、たんぽぽ50%+おこげ50%が入ったティーバッグのお茶です。香ばしさと若干の苦みはありますが、ご存じの通りおこげの特徴も香ばしさと若干の苦みなので、正直なところ、たんぽぽ自体の味はよく分かりませんでした。ただ、たんぽぽキムチを食べたことがあるのですがとても苦かったので、基本的にたんぽぽは苦いのだと思います。

たんぽぽ茶(민들레차)


 言わずと知れたたんぽぽは、野原や河原、アスファルトの隙間からですら生えてくるキク科の植物で、日本同様韓国でも身近な野花の1種です。

 韓国では古くから韓方薬(※)としても用いられ、韓国語ではたんぽぽをミンドゥルレ(민들레)というところ、韓方薬として用いられる場合は漢字の蒲公英から「ポゴンヨン(포공영)」と呼ばれています。

韓方ハンバン(한방)は、中国医学をもとに発展した韓国の伝統医学です。

 韓国内では、西洋たんぽぽ(서양 민들레)、白たんぽぽ(흰 민들레)、白黄たんぽぽ(흰노랑 민들레)、ハルラたんぽぽ(한라 민들레)、山たんぽぽ(산 민들레)などが自生しています。

 色々と検索していると、これらの種類の中でも「白たんぽぽだけに効能がある」という主張する人もいるようですが、実際のところ現在までにきちんと比較研究されたことがないため、根拠に乏しいというのが現状のようです。


◆効能

 とはいえ、韓方薬として使われてきたことからも分かる通り、健康および様々な病気の予防・改善に効果のあることが知られています。

1.気管支の健康
 たんぽぽ茶を定期的に飲むことで、気管支の粘膜を保護して炎症を改善する効果が期待できます。扁桃炎や気管支炎、咽頭炎のほか、喘息や長引く咳症状を緩和するのに役立ちます。

2.血行促進と血管疾患の予防
 たんぽぽ茶に含まれるリノール酸とシトステロール成分が、血管内の老廃物を排出して血行の改善を促進します。それにより、血管疾患の予防および改善にも効果があるといわれています。

3.免疫力の強化と風邪の予防・改善
 たんぽぽ茶が持つ抗ウィルス作用のおかげで、体内へ侵入するウィルスや細菌から体を保護し免疫力を高めます。
 免疫力が低下しやすい季節の変わり目や冬の時期には風邪の予防・改善に効果があるほか、たんぽぽ茶には解熱作用もあるため風邪による高熱を下げる効果が期待できます。

4.胃腸の健康(消化促進、胃腸炎の予防・改善、便秘改善)
 たんぽぽ茶は胃腸の健康にも有効だといわれています。例えば、消化機能を促進する効果があるため、普段から消化不良に悩まされている方は定期的に飲むことで症状の改善が期待されます。
 また炎症抑制にも優れているため、胃炎や腸炎、胃潰瘍などの疾患を予防し、緩和するのに役立ちます。それ以外にも、食物繊維のイヌリンを豊富に含んでいるため、便秘の改善にも効果があるといわれています。

5.肝機能の改善
 たんぽぽ茶に含まれるシリマリンとコリン成分が肝細胞の損傷を防ぎ、肝臓に蓄積された毒素と不純物の解毒作用を促進します。また、過剰な飲酒により傷ついた肝臓を回復し、慢性肝炎を改善するのに効果があるといわれています。
 他にも、胆汁の分泌を促す効能もあるため、油っこい食事をした際の消化に役立ちます。

6.解熱作用、抗炎症作用
 既出通り、たんぽぽ茶は解熱・抗炎症作用に秀でています。

7.利尿作用、むくみの解消
 カリウムを豊富に含んでいるため、利用作用があります。体内の老廃物やナトリウムを排出し、むくみを解消するのに役立ちます。

8.ホルモンバランスの改善
 
ホルモンバランスを整える効果が認められています。たんぽぽ茶に豊富に含まれるホウ酸は血中のエストロゲンを増加させるため、生理不順の改善や不妊治療に取り入れられることも多いです。また、豊富に含まれるカリウムや鉄分などは造血に役立ち、それにより母乳の分泌や質の向上に効果的だといわれています。

 上記以外にも、コレステロールの低下、乳腺炎、抗がん作用、目の健康、神経痛の改善、止血作用、精神安定などにも効果があるといわれています。

 また、たんぽぽ茶は「たんぽぽコーヒー」と呼ばれることもありますが、コーヒーとは異なりノンカフェインです。


◆注意点

 様々な効能を持つたんぽぽ茶ですが、注意が必要な場合もあります。

 まずたんぽぽ茶は陰陽五行では体を冷やす「陰」にあたるため、普段から体が冷えやすい方、特に下腹部が冷たくお腹が弱い傾向にある方が飲むと、腹痛を起こしてお腹を下す可能性があるため注意が必要です。

 また、毛細血管を拡張して血液の循環を良くするため、過度に飲み過ぎると血圧が下がり過ぎることがあります。もともと低血圧気味の方は注意しましょう。


◆その冷えは陰性? それとも陽性?

 今回の記事を書く過程で、興味深い記事を見つけました。

 陰陽五行では、すべての食材を「陰」と「陽」に分けることができます。平たく言うと、陰の食材は冷たい性質を持ち、陽の食材は温かい性質を持ちます。そのため一般的には体から熱を取るには陰の食材が良く、逆に温めるには陽の食材が良いとされています。

 それは言い換えると、陰の食材を取り過ぎると体が冷えやすくなるということで、加熱したり陽性の食品と合わせたりするなどして陰陽のバランスを整えるのが健康維持には有効だといわれています。

 しかし、冷え性の人が皆、体の性質が陰性に傾いているというわけではありません。陽性の冷えというのもあるそうで、自分は陰性と陽性のどちらの冷え性なのかを知りたい場合は、たんぽぽ茶を飲んでみると分かるそうです(陰性および陽性の冷え性の特徴は参照ブログをご覧ください)。

 ブログ曰く、冷え性がある方でたんぽぽ茶を飲んで「美味しい!」と感じたら陰性の可能性が高く、陽性の冷えの場合は美味しく感じないそうです。

 ちなみに、私も手先や足先が冷えやすいのですが、たんぽぽ茶を飲んでもあまり美味しく感じませんでした。奥に感じる苦みがえぐみに感じるというか・・・率直に、美味しくない。おかげで、たんぽぽ茶の消費にてこずっております。

 お茶に含まれるおこげの味が口に合わなかった可能性もありますが、考えてみると下腹部が冷たくお腹を下しやすい体質ではないので、陰性ではなく陽性の冷えなのかもしれません。


 興味のある方は、ぜひ一度試してみてください。

 ではでは。


【参考ページ】



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