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世紀末国家、ハイチの治安が悪すぎてついに首相が亡命してしまうwww

 カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島にハイチという国がある。この国は西半球最貧国として知られ、建国以来一度も安定していたことがない。トランプ大統領にも「肥溜めのような国」と言われる始末である。隣国のドミニカとの経済格差は10倍、南北アメリカ大陸の中では突出して貧しく、国民は極貧の暮らしを余儀なくされている。2010年の大地震で国民の3%が死亡するという記録的大惨事となり、今だに復興は進んでいない。当然、統治機構は崩壊状態で、町にはギャングやドラッグが蔓延している。

 ハイチの悲惨な歴史は詳しく語ると長くなるが、共通しているのは過去200年間常に政情不安が続いていることである。2021年に当時のモイーズ大統領が暗殺された後、後任には暫定大統領としてアンリ首相が就任している。このアンリ首相、大統領暗殺の朝に実行犯と電話していた記録があり、どう見ても怪しいのだが、謎の力によって逮捕されずにいる。

 暗殺事件の辺りからハイチの治安は急速に悪化するようになった。なんとも町中でギャングによって堂々と人が燃やされているらしい。犯罪集団によって港湾が占拠され、物流がストップする事態にもなった。あまりに異常な治安に国際社会も憂慮しており、2023年には国連が介入するという話も持ち上がった。外務省のサイトによると、内戦が起こっているわけではないのに全土がレベル4退避命令となっている。良い子のみんなはハイチに行かないように!

 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(引き上げ)
【ポイント】
●ハイチでは、長引く政情不安に加えて、首都圏や主要都市においてデモやストライキが断続的に発生し、武装集団(ギャング)による誘拐等の犯罪行為が頻発しています。
●2022年9月12日以降、投石・略奪などの暴力を伴う道路封鎖・デモなどの抗議活動が全国規模で発生しており、治安・社会情勢がより不安定になっています。
●また、武装集団(ギャング)が石油ターミナルを封鎖し、石油製品の国内流通を妨害していることから、深刻な燃料不足に直面しており、水の供給を含む生活インフラの麻痺・機能停止が懸念されています。
●このため、ハイチ全土を危険レベル4(退避勧告)へ引き上げます。既に滞在されている方は直ちに退避してください。ハイチへの渡航はどのような目的であれ止めてください。

 そんなハイチだが、今度はアンリ首相が辞任、というか亡命するとのことだ。何しろ国内で暴動が頻発し、事態を全く収拾できそうにないかららしい。首相自ら法秩序の崩壊を宣言している異常事態だ。武装勢力(犯罪者なのか反体制派なのかすらわからない)は首相の辞任を求めており、それに怖気づいたのかもしれない。

 この記事によると、現在ハイチで力を持っている人物はこの三人らしい。

首相が辞任した後に、誰が国を引っ張るのか。有力ギャング団のリーダーら3人の名前が浮上している。

 まず、一人目が、ジミー・シェリジィエ氏(46)。元警察官だが400件以上の放火を繰り返し「バーベキュー」の別名で知られている。(中略)放火を繰り返したり、国連からは複数の虐殺に関与したとされている男だ。

 2人目は、ジョンソン・アンドレ氏、別名イゾーと呼ばれる26歳の男だ。 少年のころからギャングとして活動、国連はレイプや麻薬、武器の密売に関わっていると指摘している。(中略)ハイチに入る国連の人道支援物資を奪っていると指摘されており、相当に問題がある人物だ。

 もう一人は、ギー・フィリップ氏(56)という人物で上院議員の経歴もあり、これまでの二人とは少し違うように感じるかもしれないが、かつてクーデターをおこし、麻薬密輸でアメリカでの逮捕歴がある。(中略)マネーロンダリングにも関与して逮捕収監されたことがあるのだが、それをロイター通信の記者に問われたフィリップ氏は「ノーベル平和賞のマンデラ元大統領も収監歴がある」と反論している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/991053024840f7da363145e3a3b7bbe2ef04345c

 え……やばくね?

「バーベキュー」さんとかシャレにならなすぎる。気に入らない人間を燃やすのが常とう手段だとか。ハイチを引っ張っていく権力者はやばいやつばかりということか。犯罪といってもまだ思想犯とかテロリストなら理解できなくもないが、こいつらは単なるアウトローというか常習犯罪者でしかないのではないか。レイプとか麻薬取引とか政治関係ないじゃん。

 本来なら半年前に国連が平和維持部隊を送るという話だったのだが、イスラエル・ハマス戦争ですっかり話題に上らなくなり、放置されてしまった形だ。首都の半分をギャングが支配しているという報道だったが、現在は8割と言われている。

 ハイチに介入してもいいことは何もないため、どの国も部隊の派遣を渋っているようだ。しばしばアメリカの支配によってハイチが苦しんでいるという俗説が南米人や左翼によって主張されているのだが、実際はアメリカは関わりたくもないというのが本音だろう。何の資源も産業もなく、ただただ不安定で治安が悪いとなれば、逃げだすのも当然だ。幾度となくアメリカはハイチを安定させようと介入しているが、毎回失敗している。

 そんなハイチだが、ついに救世主が現れたかもしれない。

 犯罪多発国家のヒーロー、ブケレ大統領閣下だ。何しろエルサルバドルの殺人事件を50分の1に減らした男である。秩序の乱れには強権統治に限る。中国やロシアの権威主義政権にだってきっとやむにやまれぬ理由があるのだ。

 ただ、ハイチのような極めて水準の低い国の場合は普通の強権統治では無理かもしれない。おそらく戸塚ヨットスクールのような状態になるだろう。善意あふれる国際社会はこのような人物にきわめて敵対的なので、抜本的な解決は難しいだろう。

 同じ低水準の国でもアフリカの内陸国はまだ「遅れている」で納得できそうだが、ハイチに至っては慢性的な貧困と不安定が世代を重ねるごとに深刻化している感じがある。アフリカが小学校だとすれば、ハイチは教育困難校のようである。ハイチの歴史は先住民の絶滅で始まり、黒人奴隷の悲惨な強制労働で栄え、奴隷反乱の後は極度の脆弱国家として現在に至る。ハイチは国自体がなにやら呪われているのではないかと思うくらいに災難続きだ。そういやブードゥー教はこの地域発祥だっけ?


 

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