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【映画メモ】市子


12月8日公開の映画は観たい作品が目白押しだった。
4作ほど見たいのがあった。

その中で一番最初に見れたのが『市子』。


※若干ネタバレありです。


予告で「プロポーズの翌日、彼女は姿を消した」的なことを言ってて、穏やかではないだろうに妙に惹かれた映画だった。

見た感想としては、壮絶だった。


冒頭、ニュースを見て市子が逃げる描写から始まって、すでに穏やかではなかった。

前日に時間軸が巻き戻されて、プロポーズを受ける。
そこで市子ちゃん、涙ポロポロ流して喜んでたの。

その時は「ああ、幸せそうやな」とか、「プロポーズ受けるって嬉しいんやろうな。泣けるもんなんやな」くらいにか思ってたかった。

そこから市子の過去と現在を探る旅が始まって、
一つ一つ過去の記憶が増えていくたびに、重い感じになる。

そんな中で市子の生い立ちが垣間見えてくるたびに、
「ああ、あの出来事はそういうことか」とか色々考えてしまって胃の辺りがズンと重くなった。

市子は市子として、ただ普通に産まれて生きてただけなのに。


市子の過去が全て曝け出た時点で、もう一度プロポーズのシーンが流れて、
「ああ、この涙の重さは市子ちゃんにしかわからんものやな」とか、「やっと幸せになれる」と純粋に思えた。


実際に会ったことはないけど、こういう状況で生きてきた人たちも少なからず存在するんだろうか。


演出的には、ハッキリとした描写がない"想像にお任せします"的な感じな部分もあって、小説的だなと思った。


杉咲花ちゃん、関西弁うますぎるし、そもそも演技力が高すぎる。

恋人役の若葉竜也くんも、いい味出してた。


2日前に見た『正欲』とはまた違った重さがあって、今週はヘビー週間だった。

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